内容説明
われわれが近代税制を確立してから一〇〇年以上が経過した現在、その税制と財政構造は深刻な危機を迎えている。今回の特集では、あるべき税制とその実現の可能性、さらに「財政破綻」を回避するためのエコノミスト・研究者たちの真摯な提案が結集されている。シュムペーターは税問題を解決するには、説得的で論理的な言葉が必要であると説いていた。まさに本書に集まった諸論文は、その試金石になることであろう。
目次
現代日本がかかえる“税”の歪みとは何か?インタビュー・税はどうあるべきか―国民主権を獲得するために(神野直彦)
税の現状と提言(戦後地方税制の問題とは何か―シャウプ税制の限界と地方の未来(原田泰)
日本国家の財政破綻はありうるか(田中秀臣) ほか)
あの「トービン税」を初めて具体的に紹介した論文を初邦訳 国際通貨改革のための提案(ジェームズ・トービン)
税の国際比較―税制と税思想(課税の正統性とは何か―課税・財政制度を介した社会的レギュラシオンの可能性(中原隆幸)
ヘーゲルの税の哲学(高柳良治) ほか)