内容説明
権力に抗しても真実を追求する真の“知識人”であった作家、エミール・ゾラ。現代の諸問題を見透すような、ジャーナリスティックな筆冴えわたる作品を精選。
目次
第1部 社会・文化・風俗(女性;教育;ジャーナリズム;文学;宗教;パリ;風俗と社会)
第2部 ユダヤ人問題とドレフュス事件(ユダヤ人のために;共和国大統領フェリックス・フォール氏への手紙;陪審団への宣言;正義;アルフレッド・ドレフュス夫人への手紙)
著者等紹介
小倉孝誠[オグラコウセイ]
1956年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。パリ第4大学文学博士。現在、東京都立大学人文学部助教授。専門は、近代フランスの文学と文化史。著書に『19世紀フランス夢と創造』(1995年、人文書院、渋沢クローデル賞受賞)など
菅野賢治[カンノケンジ]
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。パリ第10大学文学博士。現在、東京都立大学助教授。専門は、第三共和政期・ドイツ占領期のフランス文学、社会思想
ゾラ,エミール[ゾラ,エミール][Zola,´Emile]
1840年、パリに生まれる。フランスの作家・批評家。22歳ごろから小説や評論を書き始め、美術批評の筆も執り、マネを擁護。1862年、アシェット書店広報部に就職するが、1866年に退職。1864年に短編集『ニノンヘのコント』を出版、1865年に処女長編『クロードの告白』を出版。1870年、アレクサンドリーヌ・ムレと結婚。1871年、ライフワークたる『ルーゴン・マッカール叢書』第1巻『ルーゴン家の繁栄』を出す。その後『居酒屋』、『ジェルミナール』を経て1893年、『パスカル博士』をもって『ルーゴン・マッカール叢書』は完結。また自然主義文学の総帥として論陣を張り、『実験小説論』(1880年)を書いた。1888年、女中ジャンヌ・ロズロとの関係が生じ、その後2児をもうける。1891年には文芸家協会会長に選出。1897年暮れからドレフュス事件においてドレフュスを擁護、1898年1月、「私は告発する!」という公開状を発表。そのため起訴され、同年7月イギリスに亡命。翌年6月に帰国。1902年9月29日、ガス中毒により急死。遺骸は1908年にパンテオン廟に移された
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