内容説明
グローバル化・欧州統合・移民問題の渦中で「国民国家」の典型フランスを揺さぶる、「共和国主義vs多文化主義」論争の核心に迫る。
目次
1 「国民」の境界(宗教とは何か―イスラム・スカーフ事件と非宗教性 問われる共和国的統合;移民とは何か―サンパピエと市民権;市民とは何か―移民・市民権・歓待 サンパピエの運動とバリバール、デリダ;地域問題とは何か―コルシカという難問 ジョスパン制度改革と共和国論争)
2 歴史と記憶(国家とは何か―欧州統合と国民国家の行方 共和主義的反動について;革命とは何か―革命記念1989年から1790年へ;戦犯とは何か―2つのパポン裁判と過去の克服;記憶とは何か―フランス人の植民地問題をめぐる記憶 「大江・シモン論争」を手がかりに;知識人とは何か―フランス知識人の歴史と現在 ドレフュス事件と1995年12月)
3 共和国と多様性(国語とは何か―共和国の言語、フランスの諸言語 言語の多様性と言語権の政治哲学;性差とは何か―パリテ論争 市民に性差はあるか?;家族とは何か―パックス・家族・フェミニズム;憲法とは何か―立憲主義と民主主義の相剋 フランスにおける憲法「改正」)
補 相互理解とは何か―日仏交流誤解の構造 特に経済分野を中心に
著者等紹介
三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年盛岡市生まれ。中央大学文学部教授。仏語仏文学、フランス文化社会論
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