内容説明
多くの次元で歴史の転機をなすといわれる中世(後期)、南北朝・室町・安土桃山期。女と男の関係についても、たとえば、高群逸枝が女性の地位の転落と捉えたような婚姻、財産権など管理の規範の変遷が見られてくる。ただここにも、階層ごとの両義性は存在する。さらに、女商人の活躍など多面的な切り口から「女と男の乱」の時代が浮き彫りにされていく。
目次
1 世俗の伝統と信仰のはざまで(女の地獄と救い;血盆経の受容と展開;キリスト教と女性―ヨーロッパの視点と日本の視点;アマテラスのイメージ・王権・女性)
2 管理の規範と女性の生(婚姻と女性の財産権;「家」における女性の日常と役割―中世後期の各階層をめぐって;女商人の活動と女性の地位―中世後期を軸に)