内容説明
ヨーロッパとイスラームは、果して「水と油」なのだろうか?イスラーム治下の中世ヨーロッパの日常生活と、二大文明の出会いが生んだ「文化融合」の実態を初めて明かした本書には、ヨーロッパとアラブ・イスラーム世界が今後どのように出会いうるかの示唆が満ち満ちている。
目次
1 略奪と侵略の時代
2 征服された国での新たな生活条件
3 アラブの風俗と習慣
4 地元民におけるキリスト教の存続と逸脱
5 自然・労働・喜び
6 自由を失いし人びと
7 ムスリムとキリスト教徒自由民の共存
8 イスラーム権力に協力するキリスト教徒
9 ユダヤ人の生活と行動
10 イスラームに改宗したヨーロッパ人
11 性格・習慣の相違―弾圧者と反乱者、国外移住者と被追放者
12 ヨーロッパのなかのムスリム都市とその文化的役割
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
6
イベリア半島、シチリアは中世までイスラム帝国の領土であり、もちろんキリスト教徒、ユダヤ教徒などが暮らしていた。キリスト教徒は肩身が狭かったかと言うと、ある時期から差別され始めたが、最初のころは寛容だった。共存共栄を保ち、彼らは政府高官などの要職にすら就いていたのである。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51516066.html2020/11/24
ヴィクトリー
0
イスラーム治下の異教徒の支配については「人頭税さえ払えば、信教の自由を守れた寛容なもの」と知ってはいたが、具体的に知ればやはり、飽く迄も被支配者としてものでしかない、ということが分かった。とは言え、それでもユダヤ人やムスリムを追出したり、異端審問が吹き荒れた後のスペインに比べれば、比較的寛容であったとは言える。また、キリスト教徒のイスラームに対する接し方も各人で異なるもので、殉教死するものから改宗してキリスト教徒を迫害するものまで様々であった。2010/12/13
koz kata
0
妥当さの追求の記録。あんまり厳格にやり過ぎると何事も行き詰まる。