出版社内容情報
「表現」の自律性を勝ちとる戦略を現代美術家とフランスの代表的知識人が呈示。ハーケの作品も収録。
内容説明
「国際作家会議」の提唱者である知識人界のリーダーと、大企業による美術界の支配に対して批判=挑発し続けてきた芸術家が、現代消費社会のなかで自律して生き抜くための戦略を呈す。
目次
表現の自由と自主規制―ヘルムズ上院議員とマールボロの国
知識人や芸術家を誘惑する企業戦略―事情を熟知している文化メセナの主役たち
挑発としての芸術作品―感覚の回路へ
情報の生産者たち―本物のシミュラークル
新保守主義者のネットワーク―「ハイ・カルチャー」を掲げた十字軍の戦士たち
普遍主義のために―西洋の防衛と絶対主義の再来に抗して
国家対知と芸術
作品とコンテキスト―形式の戦略
どのような手法が可能か―理性のリアルポリティークに向けて
あまりにも美しすぎる
ゴンドラ!ゴンドラ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
芸術の美、芸術趣味は芸術という界での芸術家のポストを巡る闘争と国家、大企業、メディアによるメセナ戦略によって成り立つ。芸術の自立性を認めない著者は本書で、現代の芸術に抗して創作する芸術家と対話し、人類学的な眼差しを垣間見せつつ、現在「芸術」と呼ぶものを芸術的危機の症例として提示する。『芸術の規則』や『美術愛好』で19世紀新興ブルジョワジーが身体=美を視聴覚に制限し、そのハビトゥスを美術館(やコンサートホール)で教育させるシステムを検証した著者は、グローバル化がさらに芸術作品を商品化する芸術市場に対峙する。2024/06/08
ROBART
1
ブルデュー『芸術の規則』を先に読んでおいて良かった2010/04/28