内容説明
国家と民族・宗教・軍隊のゆくえをさぐり、作品に広がるアジア的ノマドロジー(遊牧民的生活)の世界を解明。「自由主義史観」に対する根底的批判を展開。
目次
第1章 海を超える司馬遼太郎(「在日日本人」としての司馬遼太郎;古代東アジア世界における民族と文明)
第2章 司馬作品における「異」の脱構築(『韃靼疾風録』の世界;『菜の花の沖』の世界 ほか)
第3章 近現代史のはざまで(「異国」としての戦前「昭和」;侵略戦争をめぐって ほか)
第4章 土地公有化論について(司馬遼太郎の土地公有化論とは;土地問題と『街道をゆく』)
付論 くずれゆく「自由主義史観」(戦後の平和・歴史教育を欺くもの―藤岡信勝の近現代史に関する欺瞞的言辞;自己崩壊する「自由主義史観」)