内容説明
世界各地で採集された奇異な生物。黙殺された科学者たちの偉大なる功績。
著者等紹介
江本創[エモトハジメ]
1970年兵庫県生まれ。1995年筑波大学大学院修士課程芸術研究課修了。99年まで版画(主に銅版画、リトグラフ)を制作。その後、標本作品の制作を始める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちてん
31
完成度の高い標本。美術として出来上がった印象を受ける。『鼻行類』ほど強烈なおふざけはない。『秘密の動物誌』の造形的に曖昧な不安定さによる真実味もない。見ていて美しいが上記二作と比較すると幻獣フィギア集といった印象。かと言って面白くなかったわけではなくアートブックとして楽しめた。2014/05/10
更紗蝦
19
「幻獣標本」というネーミングが良いです。架空の生物のミイラ風のフィギュア…と言うと何の風情もありませんが、「幻獣標本」という単語を見た瞬間に、作品の世界観に入り込むための心の準備が自動的にセットされます。翼の生えているクリーチャーは夢枕獏の『幻獣変化』を思い出しました。海洋生物っぽいもの(“幻界灘”の生物)は食用向きかそうでないかの記述があるのが可笑しかったです。食用向きのものは是非「開きバージョン」を制作してほしいです。薄暗い地下室をイメージしてセッティングしたギャラリーで見たらもっと楽しめそうです。2015/12/24
花林糖
16
(図書館本)読友さんの『幻獣標本採集誌』の感想から。図書館にはこの本のみ蔵書。標本も面白いけれど絵が綺麗で楽しめた。「幻獣ノ章」の挿絵が好みで、面白かったのは「幻界灘ノ章」。2016/02/11
みーまりぽん
10
こういう本にはつい惹かれてしまいますが、、 制作されてる標本(ま、いわゆる「フィギュア」ってやつですよね)の完成度についてはよく分からないのですが、それらの紹介のための設定や文章に関してはもっともっと練り込んだ方がいいんじゃないかなと感じました。 このレベルだとよくある「写真で一言」ネタを越えてないんじゃないのー2014/06/28
二藍
9
ドラゴンを筆頭に、幻想の生きものたちの標本をまとめた本。フィクションなのは分かっているけど、思わず信じたくなるほど高い完成度に驚き。ドラゴンはみんなトカゲに翼が生えたくらいのサイズ感で、ひからびているとはいえ可愛らしいし、《玄海灘ノ章》にあるユーモラスな魚たちの標本には味についての大真面目な記述もあって楽しい。この作品群実際に見てみたい。2014/08/04