内容説明
世界各地で採集された奇異な生物。黙殺された科学者たちの偉大なる功績。
著者等紹介
江本創[エモトハジメ]
1970年兵庫県生まれ。1995年筑波大学大学院修士課程芸術研究課修了。99年まで版画(主に銅版画、リトグラフ)を制作。その後、標本作品の制作を始める
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感想・レビュー
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キジネコ
40
好事家、趣味本の類と云ってしまうと大変に礼を失する、と感想をスルーしようと思っていました。良く出来た標本・アートをもっと楽しみたかった、と云うのが正直な不満なのですが不図思いはドラゴンってヤッパリ幻?に想着。伝説は世界の至る所で語り継がれ、地の底からは化石が新しい謎と仮説を伴って発見されます。本書の趣旨から離れていきますが鳥類に見受ける恐竜の名残だとか、私達が知りえた事実や証明できた諸々は謎の総体から見れば細やかな一部でしかない。暗夜、背後をよぎる未知なる生物の気配… 幻にしとくには惜しいと思うのですが。2017/04/04
はちてん
31
完成度の高い標本。美術として出来上がった印象を受ける。『鼻行類』ほど強烈なおふざけはない。『秘密の動物誌』の造形的に曖昧な不安定さによる真実味もない。見ていて美しいが上記二作と比較すると幻獣フィギア集といった印象。かと言って面白くなかったわけではなくアートブックとして楽しめた。2014/05/10
更紗蝦
19
「幻獣標本」というネーミングが良いです。架空の生物のミイラ風のフィギュア…と言うと何の風情もありませんが、「幻獣標本」という単語を見た瞬間に、作品の世界観に入り込むための心の準備が自動的にセットされます。翼の生えているクリーチャーは夢枕獏の『幻獣変化』を思い出しました。海洋生物っぽいもの(“幻界灘”の生物)は食用向きかそうでないかの記述があるのが可笑しかったです。食用向きのものは是非「開きバージョン」を制作してほしいです。薄暗い地下室をイメージしてセッティングしたギャラリーで見たらもっと楽しめそうです。2015/12/24
花林糖
16
(図書館本)読友さんの『幻獣標本採集誌』の感想から。図書館にはこの本のみ蔵書。標本も面白いけれど絵が綺麗で楽しめた。「幻獣ノ章」の挿絵が好みで、面白かったのは「幻界灘ノ章」。2016/02/11
みーまりぽん
10
こういう本にはつい惹かれてしまいますが、、 制作されてる標本(ま、いわゆる「フィギュア」ってやつですよね)の完成度についてはよく分からないのですが、それらの紹介のための設定や文章に関してはもっともっと練り込んだ方がいいんじゃないかなと感じました。 このレベルだとよくある「写真で一言」ネタを越えてないんじゃないのー2014/06/28