クレーン男

クレーン男

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784894192492
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

著者等紹介

チムニク,ライナー[チムニク,ライナー][Zimnik,Reiner]
1930年、上部シュレジエン地方ボイテン(現ポーランド領)生まれ。ミュンヘン在住

矢川澄子[ヤガワスミコ]
東京生まれ。長野県在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

80
交易の発展を願って巨大なクレーンを据えつけた町。威風堂々としてた姿に惚れ込んでしまった一人の男。ライバルたちを蹴落としてクレーン係に名乗りをあげ、てっぺんのクレーン小屋に住み、仕事が終わっても降りようとしない。町の人々から『クレーンオトコ』と呼ばれるようになった彼は、空から町の変化を見つめ続けた。戦争が起こって町にだれもいなくなっても、灯台の役目を務めた。世界が変わってしまっても、変わらないものがある……。哀愁に満ちた浮遊感のある物語。簡潔で味わいのある絵もすごく良い。今はなくなってしまったパロル舎の本。2016/02/15

藤月はな(灯れ松明の火)

40
図書館で偶然、見つけて引き込まれた本でした。世界一高いクレーンが大好きすぎてクレーンから降りなくなった男の物語。ユーカリ・ボンボンを親友のクワトロと食べつつ、偶に下から声を掛けてくる街の人々と話して。だけど戦争が始まり、死体の山が気づかれた後、街は海に沈んでしまったのです。クレーンを整備するための油を欲しがり、クレーンを倒そうとするサメと闘い、鷹と魚を分け合う彼。しかし、時は流れて・・・。寓話らしいけど、切ないファンタジーとしても読める素晴らしい作品。最後に寂しくも温かい絵に街の人々と同じ気持ちになります2015/10/04

とよぽん

33
チムニクの作品を追いかけて。クレーンの仕事を生きがいにしている男。暴れるゾウを吊り上げて川でクールダウンさせるなど、奇想天外な話。しかし、親友を戦争で亡くして、クレーンが水没して、ワシと出会って、サメと戦って・・・愉快半分、哀愁半分、好きなことを仕事に生きたクレーン男は幸せだった。これも、絵がとてもよかった。2019/03/21

小夜風

28
【所蔵】長崎の世界遺産になった巨大クレーンを想像しながら読みました。誰よりもクレーンに惚れ込んでしまい、クレーン男としてクレーンの上で暮らした男のお話。それだけで喜怒哀楽全て書かれていて、可笑しかったり切なかったり、悲しかったり嬉しかったり……。読み進むうちに、クレーンと男が何処に行き着くのか見届けたくなりました。挿し絵を見るのも楽しかったです。作者名で検索したら、クレーン男の友だちとして出てきたレクトロのお話もあるみたいで、そちらも読みたいです。2015/11/17

マッピー

15
毎日毎日規則正しく仕事をし、休みの日はクレーンのメンテナンス。誰が見てても見てなくても、毎日コツコツ仕事を続けるクレーン男。時は過ぎ、町が、国が、その姿を変え、人々はいなくなり、クレーン男のするべきことも変わっていく。世の中が変わっても変わらないものがある。本質が変わらなくても、時の経過で不要になるものもある。大好きな仕事があって、大好きな友達がいて、毎日を心豊かに暮らせるのなら、それを幸せと言わなくて何だというのだろう。クレーン男とワシ、そして銀色のライオンが向かう先。そこに待っているものはきっと…。2019/01/19

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