タイコたたきの夢

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  • サイズ B6判/ページ数 120p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784894192287
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吉田あや

59
「ゆこう どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」富めるものには不安を、貧しきものには夢をかきたてながら進むタイコたたき。夏のこない雪と氷の島。木一本すら生えない乾きの町。風が畑を払い山を彷徨わせる町。前へ前へ進もうと自由を手に戦も辞さず、やがて仲間は減り、へとへとになるも行く手には遥か続く道。希望も向上心も大切だけれど、側にいる人を慈しみ、今ある何気ない景色を大切にできない人に際限はない。ライナー・チムニクのシンプルで細やかな線画と美しい装丁に包まれた辛辣で魅力溢れる寓話。2015/06/27

コットン

54
今は無い「パロル舎」発行の本。文・絵をライナー・チムニクひとりで行っているので統一感がある。単純な内容で人間の強さと弱さが語られている。ふんだんな絵やグレーの紙質と伴に、表紙カバーを外すと独特の厚紙での装丁でした。2016/01/24

小夜風

32
【所蔵】読んでいて背筋が凍るというか、ゾッとさせられるようなお話でした。まるで伝染病のように次々と膨れ上がるタイコたたきたちの群れ。何度も繰り返される「ゆこう どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」という叫びが徐々に虚しく恐ろしくなってきて、それは自分が普段目を背けている、自分の心の貧しさを見せつけられるような、気づかされるような、そんな不快感に似た味わいでした。これでもかという程描き込まれた絵も、怖くなるくらい素晴らしい。2016/04/24

藤月はな(灯れ松明の火)

28
人間は例え、どんなに素晴らしい生活をしていたとしても現状に不満を抱き、自己の向上を持ち、その目標の実現を図ろうとすることで頑張ることができる。つまり、欲望を自ら、生み出すことで人は生きようとするのだ。病原菌のように人々に現れるタイコ叩き達は人生に満足して停滞する人々を無意識に断罪する。しかし、現状に満足するのはいけないこと?それとも果てもなく、決して満たされない理想という名の欲望を抱き続けることが?ただ、私が一つ、言えることは、身近にありながら大切なことに気づかない人の言う希望程、薄っぺらいものはない。2016/02/27

魚京童!

16
これはすごい面白い。終わりのない渇望。止めどない欲望。どこまでも行こう。どこまでいけるのかな。諦めてその辺で昼寝しているのが幸せなのかもしれない。「人の夢は終わらねェ」だから問題なんだ。なぜワンピースはあれほど持ち上げられるのにタイコたたきの夢は潰えるのか。この勢いは資本主義だし、アイヒマンが必死に運んだのと同じだ。最近飲みすぎて記憶力がなくなって全部関連することをグーグルに聞いて思い出すしかなくなってる。脳内細胞が死んでる。活用する機会がなくなってる。これはやばいと思う。すでにタイコを叩いてる可能性があ2020/04/05

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