内容説明
シビアでシニカル。大人顔負けな子どもたちの秘かなゲーム。クラス一の曲者・アディソンの提案で始まった賭けゲーム。にわかに、大金をめぐる争奪戦が先生をも巻き込んであの手この手で繰り拡げられていく(『時間でかせげ』)。転入早々いじけていたリサは、もう一人の転入生アイリーンに出会う。二人で校内をうろつくとアイリーンの通ったあとはなぜか必ず大騒ぎに…(『アイリーンの新学期』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
38
中編2編入。表題は「手のひらに毛が生えてくると気が狂った2番目の兆候なんだ」と言うと、相手が手のひらを調べて「じゃあ1番目は?」と聞くので「毛を探し始めること!」と言うと言うジョークのことらしい。「時間でかせげ」は授業の中断した時間と、延長した時間を集計してどちらがどれだけ長いかで賭けをしようとする学生の話。本当に🇬🇧人は賭けが大好きだね!「アイリーンの新学期」は初めての学校に来て好き放題する女の子の話。どうも変だと思ったら…😁ジェンダー意識が高くてあっぱれな子でした!2023/04/05
timeturner
6
こんなタイトルだから怖いのかと思っていたら、愉快で楽しい学校物2編だった。先生vs生徒、優等生vs劣等生、苛めっ子vs苛められっ子といった表層的な描き方をしていないのがいい。ピッピみたいな女の子も痛快無比。2016/01/19
星落秋風五丈原
4
時間をどれだけ貯められたか、どれだけ無駄にしているかで賭けをしようとする生徒達の『時間でかせげ』と新入生としてやってきたアイリーンが学校をかき回す『アイリーンの新学期』の2篇収録。いずれもラストのどんでん返しが痛快!2014/05/14
はんみみ
3
再読。子供の社会生活って彩り様々、見るべき所がおおすぎて、当事者は疲れちゃうよねー、大人になってから見返すと楽しいのに。2013/03/31
oyasumi
2
「時間でかせげ」はバカバカしいことを真剣にやる生徒たちとそれを暖かく?見守る先生たち。「アイリーンの新学期」は諸星大二郎の漫画みたいなドタバタ不条理劇。日本ではあり得ない学校生活が垣間見えて面白い。2018/03/30