死んでしまったぼくの見た夢

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  • サイズ A5判/ページ数 1冊(ペ/高さ 21cm
  • 商品コード 9784894190450
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C0793

内容説明

首吊りしたぼくを迎えに来たのは、旧式のボンネット・バスだった。むかったのは、摩訶不思議な植物園、薄い記憶の中の天神川、そして最後に辿り着いたのは…。死のフェティシズムがやるせない糖分で迫るリベラルな絵本。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

64
西岡兄妹独特の画と世界観はコミックでは見ているが、今はなきパロル舎の出版で大人のための絵本とも言える内容だが予定調和への裏切り方や不安定さはここでも健在です。2023/10/30

なる

41
イラストの持つ不安定で不穏な力。幻想的なシナリオのアンダーグラウンド感。好きな世界だな結構、なんて油断しているとこれは引きずり込まれれる不健全さを持っている。さしたる理由がなく冒頭で唐突に死ぬ「ぼく」の、おそらく死んだあとの世界がとても突き放された筆致で描かれる。奇妙にねじ曲げられた線、希望や絶望といった感情さえも無縁な、ただ事実を並べ立てるだけの文章。バスに運ばれて行く「ぼく」は、流されるままにその場の事象を受け入れる。ほとんどこれは悪夢で、とても寝つきが悪い。読んだだけで風邪をひいてしまう。2020/11/23

tomi

17
これは死後の世界なのか、悪夢なのか。命を絶ったぼくがバスに乗って行き着いた 先は荒涼とした場所だった。作者が以前、カフカの短篇を漫画化したのを読んだ事があるが、この作品もカフカに通ずる不条理で虚無的な雰囲気。パロル舎の本らしく造本も美しい。2012/12/14

きなこ

14
生きる意味を見出せないぼくは、14歳で死ぬと決めていたとおり、14歳の誕生日、夜中に学校で自殺を図る。そうして迷い込んだ不思議な世界。夜は明けず、真っ黒な太陽が昇る世界。トンネルの奥に見える光を求めて歩き続けても、光は遠のいて輝きを失うばかり。これがぼくの死後の世界であるならば、ぼくは完全な無を望む。どんな風に表現していいか、わからない絵本だ。 希望も絶望もないような、光も真っ暗闇でもないような、抜け出せない灰色の世界。 精神的に落ちているときに読むのは、お勧めしない。 2016/04/26

cherry☆

12
図書館で見かけて、絵とタイトルに惹かれて借りた本。自分は14歳になったら死ぬ。なんとなく漠然と思っていた事を14歳で実行し、自殺してしまった、ぼく。死んだぼくが巡る人気も灯りもない世界で出会う人達もまた、ただそこにとどまり続けているだけという虚無。そしてぼくも永遠にそこに立ち尽くすだけ…死後は無になると思いきや、そこにあるのは永遠にそこに立ち止まってしまう虚無という地獄なのかも…不思議な世界と虚無感が怖かった。2015/02/17

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