内容説明
『歎異抄』をマンガで解説。
目次
前序 唯円さんの決意
第１条 阿弥陀さまの願い
第２条 お念仏に生きる
第３条 『悪人正機』とは
第４条 真の慈悲を味わう
第５条 追善供養を超えて
第６条 同じ道を歩む
第７条 おそれるもの無き道
第８条 お念仏は誰のもの？
第９条 唯円さん苦しみの胸中
第１０条 ただ信じ称えるお念仏
後序 親鸞聖人つねのお言葉
著者等紹介
岡橋徹栄［オカハシテツエイ］
昭和３８（１９６３）年大阪府生まれ。龍谷大学仏教学科卒。昭和６０年、浄土真宗本願寺派宗務所入所。１０年間、本願寺新報記者など出版編集の業務に携わる。大阪府大東市教照寺衆徒
広中建次［ヒロナカケンジ］
昭和２９（１９５４）年山口県生まれ。漫画家。山口県大津郡西光寺門徒
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感想・レビュー
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国士舘大学そっくりおじさん・寺
32
御存じ親鸞が語った言葉を弟子の唯円が書き残したと言われる『歎異抄』の漫画入門書。高校生の男女が先生役の小坊主に教わるという学習漫画形式がわかりやすい。絵も学習漫画っぽくて可愛い。原文と現代語訳も載っているのが親切。浄土真宗の宗門誌『大乗』に連載されたものであるから、余りお目にかからない本かと思う。『歎異抄』は薄い本なのに、本当に名言名文の坩堝だと思う。頑なで怒りっぽい私を少し柔らかくする。忘れた時に不意に欲しくなる感じ。その度に「ごめんなさい」を言いたくなる。門徒ではないが、大切な古典だ。2015/02/08
nbhd
19
まずは、マンガとしてのクオリティが高いことに驚きました（さいきん読んだものだと、少なくとも「ニーチェ先生」よりは）。小坊主の念々くんが親鸞の思想をわかりやすく教えてくれるお約束ギャグ満載の聖典マンガです。発行は本願寺出版社なので信頼度も高い本です。いちばん気になる登場人物は、のちに親の親鸞から義絶される息子の善鸞さん。この人は、善意が裏目に出てしまい、持ち前の善意が決して善行にはならない困った人なのだけど、憎めないところがあります。親鸞システムも気になるけど、善鸞システムのほうにも大いにそそられました。2016/04/18
nbhd
16
第九条、親鸞さんのお悩み相談室。質問者・唯円「念仏してても、テンション⤴︎⤴︎にならないのはなぜでしょう？それに浄土に行くのを約束されてるのに、この世に未練タラタラです。けっこう悩んでるんですけど」。回答者・親鸞さん「じつは私もそうなんです。念仏してても、テンションあがらないし、浄土なんかより、この世にありたいと思いますしねえ。だけど、逆に、逆にですよ、そんな気持ちこそ煩悩の証。でもって、阿弥陀さまは煩悩まみれの私のような人も救ってくれるわけですよ。だから、浄土行きがますます確約されてるってことなんです」2023/08/01
ま
16
誤解されやすい悪人正機説のせいで問題作に見られがちな歎異抄。ここでいう悪人とは、煩悩にとらわれた凡夫、くらいの意味。慈悲深い阿弥陀さまはそういう者こそお救いになるということらしい。2021/09/12
nbhd
5
再読してみて、そもそもアミダさまの言っていることがパラドキシカルというか、ねじまがっているっていうことに気づいた。「アミダさま」というのは、もともと法蔵という人がいて、その人が仏様になった状態のことをいう。アミダさまには48の願いがあって、18番目がいちばん重要とされているのだけど、それがしっくりこない→「わたしを仏として、みんなが極楽浄土に救ってくれと願うのなら、ぜったい救うと約束する。でももし、約束を守れなかったら、そんときわたしはもう仏じゃない」（意訳）。結局、どの時点で仏なのか…ナゾだ。2016/06/09
