感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
3
高野素十の句集は初めて読んだ。写生に徹した俳人だったそうで、一読してぱっと情景が浮かぶ作品ばかりだ。動物を詠んだ作品などは作者の優しさを感じることが多くて、読んでいて心がなこんだ。「仔馬ひく橇をみんなが振り返る」初期の清新な詩情を感じる句も好きだ。「早乙女の夕べの水にちらばりて」後期になると東洋的な哲学を感じるスケールの大きな句が書かれるようになる。「天の川西へ流れてとどまらず」こちらも好みだった。2019/05/11
santana01
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すでに現代俳句の古典ともなった感がある高野素十のアンソロジー。選句と解説は愛弟子の倉田紘文氏。高浜虚子の弟子として、その純粋な客観写生の一面から語られることが多いが、素十俳句の根源に「生のかなしみ」を見る視点は新鮮に思われる。また俳句固有の型を自在をに操り、意味内容を重視したものよりも口誦性の高い句が多いという印象を受けた。「風吹いて蝶々迅く飛びにけり」「樏の高みを越えて行きしあと」「雪明り一切経を蔵したる」「たらたらと星流れたる網戸かな」「袋掛したる袋の中の桃」2013/04/13
MATSU231
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そのまんま俳句。写生とはこれでいいんだろうね。2019/12/18