内容説明
既刊句集より自選303句を収録。
感想・レビュー
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pirokichi
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2018年に90歳で亡くなった岡本眸さんの句集。1992年発行。第一句集『朝』から第七句集『手が花に』の中より自選303句を収録。〈かげろふや歩き出すとき少し咳〉〈膝抱いて顔もてあます秋の暮〉〈残りしか残されゐしか春の鴨〉〈柚子湯出て夫の遺影の前通る〉〈雲の峰一人の家を一人発ち〉〈踏台の赤い丸椅子冬仕度〉〈秋深むひと日ひと日を飯炊いて〉〈町落葉何か買はねば淋しくて〉「俳句は日記」を信条とした岡本さん。身辺の些事を鋭い感覚をもって鮮やかにさらりと切り取っている。俳句の題材は、「今ここ」にあるのだとつくづく。2021/08/27