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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
123
女装もする同性愛者だが一人称は「俺」の三島、彼を同類とひそかに自覚しながらいじめていた桐野は一人称が「アタシ」になるオネエ系、三島への恋心の裏返しでいじめに加担していた夢野。片田舎を舞台に、それぞれ異なったセクシャルマイノリティーを抱える3人の中学生が繰り広げる、ほろ苦くもかすかな夢の時間を描いた1巻目。冒頭シーンからすぐ自分の中学時代と三島が重なった。現実はあんなもんじゃ済まされなかったけど、その優しさの理由もちゃんと描かれていて納得できた。読みながらケラケラ笑ったりもしながら、これは名作だと確信した。2013/06/20
1039kuri
69
読んで良かったです。中でも柳田先生の異常さは、救い様がなくて怖かった。絵的な怖さは、「ヒミズ」なんだろうか、を思い出した。三島君、なんだかんだと弱そうだけど、実は一番強い子なのかも。あのお母さんなら納得です。ひきかえ、桐野と夢野、いじめの動機は分からんでも無いけど、何を理由にしたって許されないくらい残酷で、悲しくなった。二人で三島君の危険を察知するあたりは、読んでいてほっこりしたけれど。 2013/06/16
蝶よ花You
67
読友さんからの借り本。この勢いはなんだ!現代の問題に色々立ち向かってみた!って感じな作風。新しくて斬新で、怖いんだけど目が離せない。いじめや子供を性的に見る大人の目、性同一性的な人格やそれを見る他人の目。色んな問題が巧く凝縮された作品。惹き込まれて、気が付けばあっという間の読了。最近のこのジャンルにはこういう惹き込まれる作品が多くて驚くばかり。と言うか、こういう私の触手に引っ掛かりまくる作品を貸して下さる読友さんの手腕の成せる技か( ̄□ ̄;)!!(笑)2014/09/15
楓
41
中学生の多感で微妙で実に曖昧な感情をとても良く表していたと思います!同族嫌悪とか自分の好きの感情を否定したくて相手を虐める。これまた痛いほどに皆の感情がよくわかる作りになっていて話のもって行き方がうまいな、と感じました。虐めの主犯格だった桐野も実はフトシと同じ趣味があった。だからこそその禁忌のパンドラの箱をフトシをみていると開けられてしまいそうで虐めをしていたのだ。でも二人はある事がきっかけでその秘密を共有して仲良くなる。フトシを虐めていた夢野は二人の仲を誤解してヤキモキしたりと次の巻も目が離せない!2013/09/15
那義乱丸
40
永井作品はなんかいろいろ抱けってのを読んだきりだったけど読友さんの評判でずっと気になってたこの本も読んでみた。シリアス絵の美しさとギャグ絵の崩壊っぷりのギャップで笑かしてくれつつ物語はシリアスで。女装が好きなゲイとGID、根本的に違う二人だけれど人に言えないマイノリティであることは同じ。未成熟で多感な中学生なら殊更。人知れず悩みが内に向かい深刻化する中、お互いの秘密を偶然知ったことで二人でいる時だけは素の自分になれることに安堵した。二人を気にする同級生と闇を抱える教師が気になる。特に教師がヤバそう!2013/11/26