感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
48
昭和40年代の少年マガジンに掲載された漫画。雑誌も漫画家も脂が乗っている時期のものである。原作は『女犯坊』の滝沢解。原作者も同様に脂が乗っていた時期であろう。主人公はレオン・トロッキーという名の犬。キェルケゴールをもじった名前の学者の家で飼われているのだが、家族全員から酷い虐待を受けている。赤塚不二夫の可愛い絵だから見るに耐えるが、今ならアウトな描写が続出する。虐待に苦しむトロッキーは、飼い主の蔵書を読み知性を獲得してゆく。そして主人を倒し犬達をオルグ。三島由紀夫事件が冷めやらぬ自衛隊に乗り込む。快作。2020/02/03
peeping hole
2
滝沢解原作、赤塚不二夫による単巻。これは名作。滝沢解の魅力は劇画作品の見開きで決まる豪快な台詞回しかと思っていたけど、まさにそれが戯画化された赤塚画においてすらそれは損なわれることなく、本作におけるアジテイトシーン(明らかに三島由紀夫を模した)等でそれが最高にハマっている。いつもの滝沢解ごとく中盤以降はぐだりまくるものの、キレキレ風刺の応酬に読者の赤塚不二夫像が刷新されまくること間違いなし。2016/09/23
-
- 和書
- 夢でなければ