内容説明
本書では、国際連合の集団安全保障体制が国連憲章の理念どおりに機能しているか否かを実証的に考察し、現実の運用面との乖離を指摘して、国際連合の平和維持機能を阻害する要因となっているものがなんであるかを解明することを試みた。また、一般的に武力不行使義務の唯一の例外といわれる自衛権行使要件の理論的解明を行うとともに、諸国が自衛権行使の名のもとに現実に武力行使をした情況がどのようであったか、そして、このようにして発生した武力紛争に対して国際連合がどのように対処できたかを論じている。
目次
序章 国際紛争の解決
第1章 交戦権の法的性質
第2章 同盟と集団安全保障
第3章 武力紛争における違法性の公的認定の現実
第4章 湾岸戦争と違法性の公的認定
第5章 国際連合の集団安全保障体制
第6章 自衛権行使の問題点
第7章 永世中立国の伝統的権利義務
第8章 国際連合の強制行動と中立の地位
第9章 核兵器使用の合法性・違法性