内容説明
本巻では、メディア環境の激変下での児童・青少年の社会心理的分析を扱った論考をまとめている。
目次
第1章 若者のコミュニケーションの変容と新しいメディア
第2章 電子空間における人間関係形成
第3章 電子ネットワークが広げる子どもの可能性
第4章 情報化と青少年の精神病理
第5章 「暴力映像」問題の展望と今後の指針―レイティング・Vチップをめぐる心理学・行動科学から政策過程への連携
第6章 マンガ読書空間の戦後史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たろーたん
1
北田暁大の論文は面白かった。「なぜ公共空間で漫画を読む男子はいるのに女子はいないのか→読書空間を拡散する男の読み手/読書空間を私的空間に凝集する女の読み手」という問いから、少年漫画と少女漫画の違いを掘っていく。少年漫画は手塚の映画的現前性の再現や貸本・劇画の表現の実験場があったため「動的」な方向へと動いていく(あしたのジョー等)。対して、私的出来事への訴求というテーマ設定がジェンダー規範に基づいて拘束力を帯び、「いま・ここ・私」の小世界の固有性を模索していく「静的」方向になったから(トーマの心臓等)。2021/11/04




