内容説明
戦後28年頃の襟裳岬周辺は相次ぐ森林の乱伐などで荒廃し“えりも砂漠”と呼ばれた。ここで緑化作戦が本格的に始まってから40年。この大事業に果敢に挑んだ男と女たちの苦闘のドキュメント―。地方出版文化功労賞受賞。
目次
第1章 砂食い民
第2章 えりも砂漠
第3章 緑の大地へ
第4章 よみがえる森
第5章 森と魚の祭り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
40
赤い海、砂漠、想像を絶する過去の襟裳岬の姿を知った。自然を破壊するのも人間なら、はげ山状態だった土地に生息していた生物を蘇らせたのは、度重なる失敗に折れることなく立ち向かった人間。そこに至るまでの道のりは並大抵ではない。自然との闘いあり、人間との戦いあり。それでも賭けた情熱に驚嘆と感動が在る。表題の意味が理解できたのは終盤、人と自然との共存の難しさ、住人の立場による価値観の違い(人間の共存)の難しさも感じた。当時(昭和22年頃か)の農相広川弘禅(通称タヌキ和尚)のような政治家がいたらと思わずにいられない。2021/05/05
桃の種
1
どれだけ人が自然のペースに付き合っていけるか、目先の利益にとらわれずに時に我慢も必要であるということを考えさせられた。2017/03/20