内容説明
吉屋潤。平成7年3月17日没。亨年68歳。戦後50年近くにわたり、日本と韓国を舞台に、作曲家として、サックス・プレイヤーとして、またときには歌手としても活躍した在日韓国人である。その生涯に登場した多くの人物への取材をもとに、日韓両国のはざまでときに悩みときに喜び、ときに涙した故人の生きざまを著者は大胆に掘り下げた。そこに描かれた吉屋潤の生涯は文字どおり、生ける“昭和史”と言える。
目次
プロローグ 九四年一二月、ソウル
第1部 ソウルでの“ラスト・コンサート”
第2部 ジャズメンとして、日本で
第3部 韓国で、作曲家として飛躍
第4部 南も北もない―故郷は「朝鮮」
第5部 再び日本で、病床に伏す
エピローグ 母のもとへ