内容説明
北辺の語り村に住んだ幻の語り部たち。かれらが保持した謎の古伝承とは?ミステリアスな「東日流外三郡誌」の世界に、説話文学の手法を駆使して敢然と挑戦。「東日流外三郡誌」の実像に迫る待望の一書。
目次
第1章 『東日流外三郡誌』について(伝承と歴史の問題;成立の由来と継承;『東日流外三郡誌』の評価とロマン)
第2章 『東日流外三郡誌』と推移の感覚(氏族の系譜と『東日流外三郡誌』;荒吐王国の建国と荒吐族;『東日流外三郡誌』と日下将軍安東氏;興国の大津浪と安東氏)
第3章 荒吐族存疑(『東日流外三郡誌』の荒吐族と荒吐神;東日流の荒吐神の縁由)
第4章 『東日流外三郡誌』の語部(『東日流外三郡誌』の典拠と社寺の文書類;『東日流外三郡誌』の伝承者としての語部;江流末の語部考)
第5章 津軽の語り手たち(盲人と巫覡;十三湊をめぐる伝承と弁財天信仰;津軽に根ざす伝承)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
3
弘前大学教授である著者は、地元に出現した『東日流外三郡誌』について疑念を抱きつつも自身の知見に照らして詳細な解説を施しているが、秋田孝季、和田長三郎吉次の実在を疑っていない点から見ると、最後まで和田喜八郎氏による捏造という考えには思いが至らなかったようだ。中途で松田弘洲氏の名前が出てくるが、本書に先んじること数年、郷土史家である松田氏が既に現代人による偽作を主張しているのだから佐々木氏の眼力が疑問視されても已む無しか。学者も又辛いもの。数年後『季刊邪馬台国』に寄せた便りで氏はその心中を吐露している。2020/10/21
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