内容説明
急速に広がる子育て不安。しかし、就学前教育・保育の議論をみるとコスト面からしか語られない現状がある。人の発達を長年探究してきた筆者が、改めてわが国の子どもに対する価値観、子育て文化を再考し、幼稚園・保育所のあり方、課程(カリキュラム)、子どもの発達が保障される就学前教育・保育の姿を論じた一冊。
目次
第1部 子どもの発達とそこにある危機(「狼少女」は本ものか―工学的発達観の光と影;子育ての曲がり角―新自由主義時代の警鐘;しつけ困難の時代―しつけの社会・文化的背景;子育て危機の原因―経済的貧困と人間関係の貧困)
第2部 幼保一元化―幼・保を超えたその先へ(幼保一元化とは何か(1)―幼保共用化という名のお粗末、子ども不在の「認定こども園」
幼保一元化とは何か(2)―倉橋惣三(幼)と城戸幡太郎(保)の目指したものは
幼保一元化とは何か(3)―迷走した100年、子ども虐待大国へと向かうのか
幼保一元化を超えて―すべての子どもに良質な発達保障を)
第3部 就学前の発達目標と成育の課程(子ども問題の多様化と深刻化―保育に欠けるとは何か;幼児教育を考える―発達課題・発達環境と高校までの教育体系;就学前の“成育”課程―保育と教育の統合を目指して;保育・教育の新時代へ―知的遺産を継承し新しい展開を図るには;子育て立国に向けて―短期・中期・長期政策を組み合わせて息長い方策を)
著者等紹介
藤永保[フジナガタモツ]
お茶の水女子大学名誉教授。NPO法人保育:子育てアドバイザー協会理事長。1926年、山口県に生まれる。東京大学文学部心理学科卒業・同大学院中退。東京女子大学教授、お茶の水女子大学教授、国際基督教大学教授、日本教育大学院大学学長などを経て、現職。また、日本発達心理学会理事長、心理学諸学会連合副理事長、日本子育て学会理事長などを歴任。専攻は発達心理学。とくに言語獲得、パーソナリティ形成、初期環境の影響などに関心をもち、その延長として幼児教育、児童臨床にも業績がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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