日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた―カフエーパウリスタ物語

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784893369475
  • NDC分類 673.9
  • Cコード C0095

内容説明

ブラジル移民が日本に“珈琲文化”をもたらした。明治末期、サンパウロ州政府から日本移民の父・水野龍に無償のコーヒー豆が提供された。その豆は発展する日本社会の新しい文化の象徴ともなった。東京銀座に現存する「カフエーパウリスタ」から日本の喫茶店文化が始まった。

目次

第1章 珈琲前夜(未知なる国、ブラジルへの船出;ブラジル移民の父、水野龍 ほか)
第2章 本格珈琲喫茶、かく生まれり(明治四三年、合資会社カフエーパウリスタ創立;第一号店は箕面店だった ほか)
第3章 カフエー繁盛記(珈琲の香りは全国に;鏡の国のパウリスタと時事新報―(銀座店) ほか)
第4章 才人たちが愛したカフエーパウリスタ(好景気と大正ロマンの到来;華麗なる常連客たちの横顔 ほか)
第5章 カフエーパウリスタの遺産と功績(全盛期は大正八~九年頃だった;関東大震災、無償供与停止の二大ダメージ ほか)

著者等紹介

長谷川泰三[ハセガワタイゾウ]
昭和11年(1936年)、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。日東珈琲株式会社勤務を経て1995年、取締役社長に就任。2006年、同社を退社。日東珈琲株式会社に勤務時代、会社の前身だった明治創業の喫茶店「カフエーパウリスタ」について全国の人々から問い合わせを受けたのがきっかけで、店の歴史を研究し始める。その過程でカフエーパウリスタが日本の文化と、日本人の食生活に計り知れぬ影響を与えていたことを確信し、『日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた―カフエーパウリスタ物語』を執筆するに至った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

17
芥川龍之介をはじめ、あまたの文人たちがその名前を作品に記した喫茶店「カフェパウリスタ」の歴史がまとめられている。主に銀座が舞台だが、文人達の日常を垣間見ることができる。文壇のボス菊池寛も、アナキスト大杉栄もここでコーヒーを飲んでいたというのが面白い。初めてのブラジル移民船「笠戸丸」の団長であった水野龍(タイトルにもある「ブラジル移民の父」)が、サンパウロ州の政府との交渉の末、無償でコーヒー豆を提供してもらったことから、このお店が始まったとも記される。ブラジルと日本のつながりを知ることができる一冊。2016/02/02

ふろんた2.0

5
先日、「銀ブラ」の語源が「銀座にブラジルコーヒーを飲みに行く」であることを知り、調べていたところ、本書を発見。このカフェーパウリスタこそ、「銀ブラ」の喫茶店です。ブラジルへの移民政策からコーヒーを日本に広めるべく、喫茶店を開業する話を現存する資料を基に綴られています。芥川龍之介を始めとした文豪や世界的著名人が常連であることに驚く。関東大震災や第二次世界大戦を乗り越え存続してきたことを思うと、ブラジルコーヒーを日本に広めようとする情熱が伝わってくる。銀座に足を運んだ際は、カフェーパウリスタに行ってみよう。2011/12/06

たぬきのしっぽ

0
パウリスタって素敵な名前は「サンパウロっ子」を意味する。明治から今まで続くブラジルとのゆかり深いカフェのお話。ブラジル移民事業をはじめた水野龍が、ブラジル政府から毎年70tものコーヒー豆の無償提供を受け、開店した。大量の豆を売捌くために産み出された色々な策がおもしろい。5銭のコーヒー、ドイツ人捕虜に学んだ洋菓子、婦人室では青鞜の同人が集まった。極めつけは美少年のボーイを揃えて「カッフィ、ワン!」と叫ばせる。これが受けたらしい。大正ロマンである。モガ・モボはブラジル産の飲み物を通して西洋趣味を享受したのだ。2017/01/20

ワタナベ読書愛

0
パウリスタの後継者の筆者が、日本の珈琲文化の草分けである同社の歴史を調査しまとめた一冊。明治時代に行われたブラジル移民、ブラジル政府より珈琲の無償提供、日本ではまだ知られていなかった珈琲の普及に尽力した水野龍氏、ほか多数の事業家・従業員たち。珈琲文化の普及に貢献した人たちや喫茶室を利用した文化人や様々な人たちの物語が、簡潔な文章で淡々と綴られる。膨大な資料を検証・引用し、当時の雰囲気が伝わるように工夫されている。新しい時代に新しいビジネスに挑戦した人の魂の軌跡に触れる。珈琲愛好家は必読。庶民の昭和史。2021/01/10

cocobymidinette

0
ブラジルの予習中。水野龍さん。この方に絡む仕事で行くのだけど、ブラジル移民の父なだけでなく、日本のコーヒー文化の父でもあるなんて、コーヒー&喫茶店好きな私は勝手に縁を感じている。2019/04/13

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