出版社内容情報
ぼくがきみにつたえたいのは、ほんやくすると―「このせかいは、うつくしい」ってこと!しっぽをふるのは、ほんやくすると「とってもうれしい」ってこと。ケーキにろうそく、ほんやくすると「おめでとう、またひとつとしをとった」。おかあさんのいってらっしゃいは、「げんきなただいまをまってるよ」。ことばがなくても心と心で通じあう、犬と男の子の物語。
内容説明
しってる?せかいは、きみに、ささやいている。『のせのせ せーの!』の作家陣による待望の第2作!ほんやくってしってる?見たもの、聞いたことの、むこうがわに、ときどき、べつのことばが、かくれてる。
著者等紹介
斉藤倫[サイトウリン]
詩人。『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で日本児童文学者協会新人賞、小学館児童出版文化賞を受賞
うきまる[ウキマル]
絵本作家。横浜生まれ。日本大学芸術学部デザイン科卒。2019年『はるとあき』(絵・吉田尚令)でデビュー
くのまり[クノマリ]
イラストレーター。MJイラストレーションズ卒業。主に広告・書籍・パッケージ・グッズなど幅広くイラストレーションを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
239
斉藤倫、うきまる・文、くのまり・絵。あかちゃんの泣き声や、時計の音を翻訳すると…。翻訳者はゴールデン・レトリバー(ちょっと違うけれど)。けれど、途中からは翻訳の必要がなくなってくる。なぜなら、翻訳しなくてもわかるから。なかなかに雄大な、そして大きく息を吸い込むようなお話だ。なお、全体としては、この家に生まれた男の子の成長物語を構成している。絵は、上空からの俯瞰図などは構図もいいが、室内の絵は今ひとつ。 2025/09/30
ちゃちゃ
81
良い絵本に出会うと、心がほこほこしてくる。赤ちゃんと犬(ゴールデンレトリバー)、言葉は通じなくても、表情や身振り手振りで心は通じ合う。……きみと一緒に過ごす時間を積み重ね、きみが大きく成長しても、僕たちの心はわかりあえるんだ。雨上がりの森、大きな切り株、鳥の鳴き声や群れ飛ぶ姿。打ち寄せる波、夜の野原に咲く花。それぞれが内包する深い意味をともに分かち合える喜び。抱きしめて伝わってくるからだのぬくもりに、「ほんやく」なんていらない。互いの心を汲み取ろうとするあたたかい愛こそが大切なんだ。……素敵な絵本だった。2025/10/11
とよぽん
62
読友さんたちの感想を読んで。文も絵も深い。読む人の人生に寄り添って味わいをもたらしてくれる絵本だと思った。子どもは子どもなりに、長く生きてきた人はそれなりに味わうものが得られる。言葉を介する者同士がわかりあえないのはなぜだろう。と思ってしまう。2025/06/21
がらくたどん
49
「のせのせ せーのっ!」チームによる大切な存在と共に歩んだ時間を愛おしむ物語。主体は一匹の犬。赤ちゃんがお母さんに抱かれて「うち」にやってくるところから始まる物語。だから最初は「ようこそ ようこそ」。赤ちゃんは少年になり青年になる。ワンコが自分の言葉を「ほんやく」する事もあるし、少年や樹や鳥や海や野原の言葉を「ほんやく」する事もある。そこが楽しい♪大丈夫、最後の頁も寄り添って。ただ、表と裏の表紙裏の足跡と切り株の年輪の幅の違いだけがふたりの時間の速さの違いをそ~っと映す。その年齢が来たら気づけばいい。秀作2025/05/28
ぶんこ
49
森の中の素敵なお家に赤ちゃんが産まれました。ワンちゃんは大喜びで、犬の気持ちを翻訳してくれました。大きくなっていく男の子とワンちゃんは、時々で翻訳しては伝えあっています。特に好きなのは「おかあさんのいってらっしゃいは、元気なただいまを待ってるよ」本当に素敵な森の中のお家で、玄関から出て、男の子の通学を見送るおかあさんとワンちゃん。絵も素敵なのです。「足元に星空はあるよ」の絵、お気に入り!仲良しの男の子とワンちゃん。2025/05/22
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- 和書
- 本願寺 講談社学術文庫