出版社内容情報
実話に基づく愛猫の物語。ぼくはずっと、ももちゃんだけをみてるのに―。ぼくが赤ちゃん猫のときから、ぼくはももちゃんといつもいっしょ。ももちゃんと、のびをする。ももちゃんと、ひるねする。ももちゃんと、木にのぼる。木のうえはふたりの舟・・・。ぼくたちの幸福な日々は、ずっとずっとつづくと思っていた。そんなある日、ちっちゃくてピカピカの子猫、すなこがやってきた―。ヒグチユウコさんの推薦帯つき。
内容説明
ももちゃんとぼくの幸福な日々は、ずっとずっとつづくと思っていた―。待望の描き下ろし絵本!宇野亞喜良の愛猫の実話にもとづくものがたり。
著者等紹介
宇野亞喜良[ウノアキラ]
1934年、名古屋生まれ。日本を代表するイラストレーター。出版、広告、舞台美術など多方面で活躍。1999年紫綬褒章、2010年旭日小綬章受章。2014年には読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞するなど受賞多数。2016年、資生堂のコスメブランドでの「マジョリ画」が若い女性の間で大人気となる。絵本に『悪魔のりんご』(舟崎克彦・文/小学館/第13回日本絵本賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
155
表紙の絵に魅かれて読みました。宇野亞喜良、初読です。内容的には子供向けですが、絵に色気・艶があるので、大人も楽しめます。アート作品としても鑑賞出来るんじゃないかなぁ。ところで猫も嫉妬するのでしょうか?ボンボンの切ない気持ちが、いじらしいにゃぁ(=^・・^=)2018/01/05
ぶち
104
宇野亞喜良の愛猫の実話にもとづく絵本。 女の子のももちゃんとねこのボンボンの生活に、小さな子ねこすなこがやってきたことから始まるお話し。 「さばくの すないろの おにぎりみたいな ちっちゃい すなこ」がやってくる。ももちゃんはすっかり、すなこに夢中。寂しくて、やるせなくて、泣きたい気分のボンボン。「ぼく、ここにいるのに…」そんなボンボンの心の動きを宇野さんは、上目づかいや、まっすぐ見つめる目、大きく見開いた目などで表現しています。アート好きにも猫好きにも訴える、どれも素敵な絵です。2019/06/18
みかん🍊
93
宇野亞喜良さんのとてもキュートでおしゃれな絵本、猫もかわいいけど、すなこが来て大好きなももちゃんが見てくれなくなったボンボンの気持ちが切ない、うちの猫も一人では寂しいからお友達がいた方がいいのかなと思う事もあるけどこんな寂しい想いさせてしまうのかな。手元に置きたくなる素敵な絵本です。2017/12/13
アキ
73
やっぱり宇野亞喜良の絵本は、女の子の表情がいいですね。ツンとしていて、アンニュイな感じで、それでいて愛が深い。でもあのこを愛すると、あのこは愛せないということになる。愛されないと思い出もつらく感じる。2ひきのねこは、2人の子供でも、2人の彼女でも、何にでも置き換えられる。2ひきと女の子で仲良しになるのには、お互いを見つめるんじゃなくて、共通のものを見ることで仲間になることなんだよね。パリの街角でカフェしたり、絵本を読みながら寝落ちしたりしてね。装丁は名久井直子。2017年出版。宇野亜喜良の絵本集めようかな2020/07/12
よこたん
53
“ももちゃんが すなこを よんでいるのが きこえる。でも そのあとに、ぼくの なまえは よばれない。” 切ない猫の気持ち。まだまだ甘えたい盛りに、赤ちゃんがやってきてお兄ちゃん(お姉ちゃん)にさせられる幼子の心境のようだ。愛情は見える形で欲しい、安心したいんだ。猫たちのしぐさを圧倒するような、宇野さんの描く少女の色気に目がくぎ付けになる。絵本なのに、おんなの匂いが立ちのぼるようで、クラクラした。猫よりも、この子のほうが猫っぽいかも。2019/01/21