内容説明
1863年にヴェルヌが書き下ろした「1960年代の未来都市パリ」の物語。リニアモーターカーが都市を縦横に走り、電気が普及し、コンピュータやファックスがオフィスに行きわたる高度な産業社会。20世紀の現在をみごとに予見した空想科学小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
爽
9
この作品はヴェルヌの死後90年が経って、未完成のまま見つかったものらしい。これを19世紀の電気がほとんどないような時代に作り出したことが信じられない。有名になっているヴェルヌの作品とは違って、いつも闇が潜み続けている。そしてそれは立ち向かえないほどに大きい。合理性や利便性を追求したあまり、人間の向かう先にあるものが描かれていることだとしたら、世界を諦めてしまいたくなる。救いがどこにも見つからない。2013/08/01
原です。
0
★★★152年前の1863年に書かれた20世紀の予言書に興味を持ち読みました。単なる空想科学小説だと思って読み進めましたが、生活や環境は100年後を想像して書いているのを忘れ、現代小説と思わせるほど、未来をリアルに想像できてます。人間模様を中心に描いてるから、予言書ではないんでしょうね。2015/05/03
kinaba
0
こんなにも文学的なものに重きを置いた作品を書く人だったのか、2016/04/15