内容説明
1匹の幻視の虫が、私の存在を揺るがせる。“若年性レビー小体型認知症”本人による、世界初の自己観察と思索の記録―これが本当に認知症なのか?
目次
2012年(秋;冬)
2013年(春;夏;秋;冬)
2014年(春;夏;秋;冬)
巻末付録 レビーフォーラム講演録「本人になってみて初めて分かったこと」
著者等紹介
樋口直美[ヒグチナオミ]
1962年生まれ。30代後半から幻視を見た。41歳でうつ病と誤診される。薬物治療で重い副作用が生じたが、約6年間誤治療を続けた。2012年、幻視を自覚し検査を受けたが、診断されなかった。2013年、症状から若年性レビー小体型認知症と診断され、治療を始めた。現在は、自律神経障害以外の症状はほぼ消え、認知機能は正常に回復している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金平糖
25
薬嫌いの母。医師の勧めでリリカを飲みフラつき転倒骨折入院。一人暮らしは無理となりホームに入居。面会した娘がパーキンソン病を疑うので通院したが認定は難しいらしい。先日、母が幻覚を見たと言い出し、娘はレビーを疑う。確かに10年程前、寝言が凄く、薬に過敏。パーキンソン症状あり。幻覚と思った人物と話したとのことで寝惚けていたのだろう。家族に医師(専門外)がいてもレビーを疑うまで一年を要したので著者の苦痛苦労は計り知れない。「アリスのままで」を連想したら著者も号泣とあった。レビーが広く知られ誤診がなくなるよう願う。2018/03/04
小豆姫
13
幻視、幻聴、幻臭…。自分が自分ではなくなってしまう恐怖。レビー小体型認知症という病名は知っていたけれど、このような症状があるとは。うつ病と誤診され飲み続けた薬の副作用による体調悪化。苦痛と苦悩の日記は読み続けるのが辛くなってしまうが、自分の脳で起こっていることを冷静に見つめ続け、病を知り受け入れる強さに心打たれた。2018/01/02
はるわか
12
30代後半で幻視、41歳でうつ病と誤診され6年間誤治療(薬物治療)の重い副作用に苦しむ。2013年、若年性レビー小体型認知症と診断され治療開始。2015年現在、自律神経障害以外の症状はほぼ消え、認知機能は正常に回復。認知症とは一体何なのか?認知症=記憶障害=アルツハイマー病ではない。認知症を起こす病気は多く症状は異なる【認知症って病名(原因)ではなく症状(結果)なんだ!】レビーやピック病では記憶障害がほとんどない人たちがいる。2018/11/25
tellme0112
11
すごい本を読んだ。偏見あるなあ。 診断名がつくまでの長い道のり。自律神経系の不安定さ、すごく辛そう。これでは働けないよなあと思う。うつのあった頃を思い出した。外出先で具合悪くなるのが怖くて出かけられなくなる。けど、予定外の体調不良も予定のうちと思えば人生を楽しめる。旅行できて良かったなあ。諦めないでチャレンジする勇気、素晴らしい。脳の病気なのになぜ、精神、なのか、という指摘になるほど、と思う。2017/08/21
貧家ピー
9
若年性レビー小体型認知症当事者による日記形式の闘病記。 アルツハイマー型認知症につづいて多い認知症、症状としては幻視、レム睡眠行動障害、自律神経障害などが出る。 当初はうつ病と診断を受け、抗うつ剤によって状態を悪化させていた。認知症と言えばアルツハイマー型がまず頭に思い浮かぶが、本書で知る事ができた。 2022/08/16