内容説明
父は再婚せず、私は結婚せず、ずっとふたりで暮らしてきた。アルツハイマーの父を介護するのは、私しかいない。いつか誰もが、親を看取るときが来る―その日の前に読んでおきたい一冊。
目次
第1章 小さなあれ?に危機感はなかった
第2章 衝撃の朝
第3章 とまどいの日々―在宅介護スタート
第4章 パパがパパだった最後の夏
第5章 今日は何が起こる?
第6章 俺を売ったな
第7章 痴呆病棟の日々
第8章 緊急手術
第9章 来てくれてありがとう
著者等紹介
山口美江[ヤマグチミエ]
1960年9月20日横浜市生まれ。エスティローダーでマーケティング、ワーナー・ブラザースで社長秘書を経験。その後、通訳を経て、テレビ朝日の「CNNヘッドライン」のキャスターでタレントデビュー。フジッコのCM「しばづけ食べたい」の名台詞で一躍脚光を浴びる。情報、バラエティー番組、ドラマにも多く出演し、現在は、横浜中華街にある輸入雑貨店「グリーンハウス」を経営している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りい
6
自分とそうたいして年齢の変わらない山口美江さんの活躍を昔テレビで見ていた私は、最近の彼女の訃報に大変驚き、芸能界を去った後の彼女の事を知りたくて本書を手に取ってみた。ひとりっ子である私にとっても他人事とは思えず、山口さんの気持ちが痛いほどにわかり、読み終わってとても辛くなった。私は結婚しているので「女ひとりで親を看取る」にはならないけれど、そんな私も子供をひとりしか生めず、数十年後の娘の事を案じてしまう。介護などについて問題提起もされており、本書は同じような境遇の人たちの励ましになると思う。2012/03/28
りこ55
5
私の親は既にないが、独身の兄がいるので、自分が動く場面が将来あるだろうと、気になっていた本です。そして著者が若くして亡くなったことも当時ショックでした。 現在、介護施設で働いていろんな症状の利用者いますが、お父様がそのすべての症状を急激に進行していく様子はとても辛い。 知的でまさに「きれいなお姉さん」だった美江さんは、華々しい芸能界を休業されていての訃報でした。今では私はその美江さんの年齢を追い越しました。読んでいる間、 美江さんの命日でした。孤独死と言われましたが、彼女は幸せだったと思いたいです。 2025/03/09
みなず
4
一気読み。どうしてパパが、なんで私が、と背景も環境も著者とは違うのだが、身につまされる。素敵な山口ブラザーズありきの、頑なな伯父さんに、切ないけれど笑える。愛犬ボーイの写真が良かった。著者自身の最期を思うと、なんだか感慨深い。2018/01/30
ロクサン
3
私の祖父もアルツハイマー型認知症です。病状の進行具合、各エピソード、美江さんの想い…どれもこれも思い当たることばかりで、胸が締め付けられました。介護の問題は誰にも突然訪れうること。「家族の介護なんてまだまだ先のこと」と思う方にこそおすすめです。私の祖父も今後どうなるのか(どんなスピードで、何が起こるのか)想像だにつきませんが、これを読んでちょっと腹が括れました。2011/11/29
rey
2
他人事ではなく読んだ。美江さんは父娘の二人暮らしが長かったとの事でさぞ心細かったに違いない。こういった先輩方の体験記はすごく参考になるし勇気もくれる。読んで良かった。2023/02/06