内容説明
著者は金正日の警護員として「奴隷主の楽園」で門番を務めた。そして、不届きな奴隷を懲らしめる「地獄の収容所」の門をくぐった。天国と地獄の門を行き来した著者が北朝鮮の破壊神=金正日を赤裸々に綴った一冊。
目次
第1部 金正日親衛隊員(幼年時代の思い出;針穴を通るより難しい警護官選抜過程 ほか)
第2部 北朝鮮を新たに実感する(11年ぶりに帰ってきた故郷;労働党指導員の生活 ほか)
第3部 人間生き地獄「ヨドク政治犯収容所」(悪魔の巣窟から人間の生き地獄へ;収容所での生活 ほか)
追記 知ってるつもり!?金正日(金正日が使用する主要施設;金正日の家系図 ほか)
著者等紹介
李英国[イヨングッ]
1962年、北朝鮮咸鏡北道茂山郡茂山村で生まれる。1978年朝鮮労働党組織指導部5課対象に選抜され入隊、党中央委員会護衛部第6部で金正日の警護員として11年間勤務した。1988年、軍除隊後、朝鮮労働党茂山郡党委員会の指導員として勤務していた当時、体制に嫌気がさして1994年に中国に脱出し韓国行きを試みたが失敗し逮捕された。国家安全保衛部予審局拘留所で5ヶ月間の厳しい拷問を受けた後、ヨドク15号管理所に送られ、おぞましい政治犯収容所での生活を体験。1999年に奇跡的に収容所から出所し、再度中国に脱出。翌年、韓国へ入国。現在、百龍健康食品の代表を務める
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感想・レビュー
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高木正雄
1
まず日本語訳がでたらめで特に固有名詞がひどい。張成沢が帳成沢はひどすぎる。金正日については藤本さんの本と食い違う箇所があるが、金正日との距離感の問題だろう。収容所や保衛部の話の中でも、牛フンの中に混じったとうもろこしをたべる話は他の脱北者が書いた本にあるから本当なんだろう。大変な国だ2024/07/29
RuiRui
0
このような国家がどのような経緯で成り立ったのか不思議だ。警護官のほとんどの仕事は思想教育。後はトレーニング。近親者が金正日の運転手としてやってきたので除隊、故郷に戻ってその落差に愕然、違法な放送を聴いて脱北を決意。中国で捕まり強制送還。保衛部での拷問は中国の政治犯収容所と同じよう。後の政治犯収容所では、第一次産業に従事させられ、ノルマか終わらないと連帯責任、或いは飯を減らされる。国で食糧事情が逼迫してくると次々と現れる餓死者。鼠や蛇を生食。特赦後、近親者に脱北を語ったのが盗聴器でバレて二度目の脱北。2014/03/25
Arte
0
出身階級が良かったため、田舎から選抜されて金正日の警備官に選ばれた著者は、籠の鳥ながら不自由のない生活を送っていたが、従兄弟が同様の職に選ばれたため離職し、地元に帰って周囲の貧しさに驚く。脱北して中国から韓国に行こうとして捕まり、管理所に送られた後の生活がナチの強制収容所と変わらなくて恐過ぎる。毎日誰かが衰弱死し、理由もなく殴られて死ぬこともあり、連れ出されて人体実験に使われるという噂もあり。2024/09/04
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