内容説明
(なぜ、この木はあたたかいのだろうか)(この木をひとりじめしよう)動物たちは、そんなことは考えない―「生き方」が人生になる!100タイトルを超える児童文学作品が国内外で広く読まれている著者が、あなたの未来へ贈る絵本。
著者等紹介
くすのきしげのり[クスノキシゲノリ]
児童文学作家。1961年生まれ。鳴門教育大学大学院修了。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などをへて、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を行う
松本春野[マツモトハルノ]
絵本作家、イラストレーター。1984年東京生まれ、多摩美術大学油画科卒。2017年、『おばあさんのしんぶん』で第26回けんぶち絵本の里大賞アルパカ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
182
誰もが癒され清々しさに満たされる、あたたかな一本の木がここにある。寒くなるまでは誰も気付かなかったのに、凍えそうな夜ほどみんなが近づいてくる、温もりを感じる場所。木の幹に寄り添って不思議な夢を見る。人間は名声を追い新種発見と喜んでいる。初心にかえりなさい。競い合うことのために植物学者になったのかと。千年を超えてすべてを受け入れてきた優しさに、私の願いの小ささを改める。心の中に柔らかな土を持とう。降り積もる落ち葉を、木の実が安心して春を待てる場所を保とう。数え切れないほどの生きものが、ここにはいるんだから。2023/07/15
ぶち
116
山の動物たちがあたたかい木のまわりで身体を休めている不思議。不思議な木を見つけた植物学者はその木を公表することで自分の名声を夢みました。でも、大切なことは名声ではなく、まわりの人に優しく、居るだけでその名の空気が暖かくなるような、そんな人になることだと、不思議な木の傍で過ごすうちに気が付くのです。素敵なお話です。 松本春野さんの優しいタッチで描く動物たちの穏やかに安らぐ姿が、この物語にピッタリです。2021/09/27
モリー
82
今日は大寒です。体が冷えます。職場の暖房器具が寿命を迎えたこの冬は特に冷えます。世間の風や家族の視線も冷たく、懐も寒い今日この頃です。(←長い前置💦)この絵本はそんな冷え切った私をポカポカにしてくれました。(懐を除く)“あたたかい木”は不思議な木です。寒さの中にあってもその木とその周囲だけは暖かいのです。そして、そこには様々な動物が集います。偶然、その不思議な木を発見した若い植物学者は功名心にかられます。木に寄り添う動物たちを追い払い、木の皮を剥ぎ…。だが、冷たい心はやがて…。温まりたい方にお勧めです。2022/01/20
ままこ
77
色んな動物たちが自然と集まってくる不思議な癒しの大木。植物学者も導かれるように大木にたどり着くが…。松本さんの柔らかな水彩画からも、春風のような穏やかなあたたかさが感じられお話にぴったり。何が大切かなのかを問いかける、慈しみと清々しさに満ちた絵本。2023/03/28
ゆのん
72
【絵本】繊細で柔らかく、暖かい水彩画がとても素敵。いつも暖かい木には動物達が集まり、厳しい冬の寒風もその木に触れると暖かい風になる。そんな不思議な木を植物学者が見つけるお話。優しさや暖かさは周囲の人に素敵な影響を及ぼす。優しい気持ちは伝染して冷たくなった心を暖めてくれる。生活や仕事に追われ本当に価値のある宝物に気付く事が出来なくなっている大人にも読んで欲しい絵本。1222020/05/21




