内容説明
軍馬の戦記。戦争体験は人間に限ったものではない。ことに「支那事変」では、軍馬は砲車をひき、糧秣を背に将兵と共に戦い、そして戦野に斃れた。ものが言えぬ動物だけにあわれである。
目次
彈丸雨飛の中に愛馬をいたわる
斷ち切れぬ愛馬心
旧主に救はれた盛藤號
盲馬の馭者後原一等兵
城水を憶ふ
窓馬に縋つて泥〓を行く
今樣塩原多助
暗夜に激流を渡り墜落馬を救ふ
愛馬と兵隊
盲目の駄馬と共に
愛馬に對し眞に敬意を表す
甲功賞の盲馬三扱號
捨てられた重傷馬を劬りて再度の御奉公
熱誠幾度か愛馬の危難を救ふ
俺の親友は馬だい