記憶の川で

記憶の川で

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  • サイズ A5判/ページ数 94p
  • 商品コード 9784892710056
  • Cコード C0092

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

35
母から借りた本。11歳でハンセン病を患い、70年以上を療養所で過ごした女性の15冊目の詩集。大谷吉継に関連する本を読むとハンセン病を思い出し、塔さんの詩に触れたくなる。この詩集に収められた作品はストレートな言葉が多く、とても読みやすかった。今まで読んだ塔さんの詩集の中で一番好き。60代後半に書かれた詩でありながら、老熟さの中に無垢な乙女心も感じられて可愛い。一方で純粋すぎるが故に避けられない痛みや苦しみも込められており、胸に刺さった。知らない言葉は一つも無いのに、日本語が美しいと感じるのはなぜなのだろう。2017/09/13

きゅー

6
塔和子は12歳でハンセン病を患った。病が癒えた後も隔離政策により療養所で暮らし、現在も同所にて生活している。そうした人生を送った彼女の詩がなぜか明るくて、強い。怨みの声がついほとばしってしまっても、それを私たちは納得できるだろう。しかし、彼女は過去を懐かしみ、愛ではするが、不満の声を上げはしない。彼女の人生を詳しく知っているわけでは無いが、ある詩にあるような「少女の日の健康な夏」をどれほど彼女は恋い慕ったことだろうか。彼女の眼差しに見える世界はどのようなものか、他の詩集からも汲みとりたいと思った。 2012/05/17

とよぽん

5
ハンセン病の療養所に長く暮らした詩人、塔和子さん・・・何年か前に新聞に出ていたときに知った。鋭くて繊細で、哀しくて温かい。そして、強い。世界と自己を見つめている詩だ。2017/03/12

うりこ

2
〈薔薇である誇らしさ/薔薇であるさびしさ/薔薇である幸/薔薇である不幸をもって薔薇である//誰もよるな/このうちなる矛盾にさいなまれ/棘に守られて/ほうふつと匂う薔薇に(「バラの木」部分)〉第29回高見順賞受賞。塔さん15冊目の詩集。15才でハンセン病を発病。国立療養所大島青松園で書き続けていたと知った。身の内に秘めた熱い感情に触れさせずにはおかない詩群に、打たれた。2021/04/21

彩美心

0
私好みの詩集であった。浮かれてはいないが暗くはなく、繊細でいて強い。どんな状況にあっても心次第で豊かになれるのだと感じた。2013/09/10

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