ハ長調のキャリア

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784892571657
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

大恐慌のニューヨークで仕事が入らない土建業者・レナード。上流階級出身で美しく、我儘な妻・ドリスの言いなりの彼は、オペラ歌手志望のドリスを手助けするうち、ひょんなことからレナード自身の歌手としての才能を見出される。
彼の隠れた才能を発見する人気歌手のセシルは、レナードを愛し、レナードはセシルに導かれてバリトン歌手の道を歩み始め、評判を得るが……
ベストセラーの名作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の著者による、二度映画化された小説が待望の初邦訳。
『ラ・ボエーム』『リゴレット』など、数々のオペラにのせて、軽妙な筆致のなかに欲望と愛憎が渦巻く、異形の冒険譚。

「デビュー作から遺作まで、ケインは一貫してファム・ファタールに翻弄される人間の物語を書いてきた。そして『ハ長調のキャリア』ではその同じ構図が笑いを呼ぶ。だが僕は、この作品でケインがセルフ・パロディを書いたとは思わない。ケインは知っているのである。そもそも「ファム・ファタールに翻弄される人間の物語」というものが、本来的に喜劇を内包しているということを」(藤谷治 本書解説)


【目次】

内容説明

突然はじまった、オペラ歌手としての人生―大恐慌のニューヨークで、バリトンの才能を見出された男の冒険、欲望と愛憎を描いた異色の傑作小説、本邦初訳。

著者等紹介

田村義進[タムラヨシノブ]
1950年、大阪生まれ。金沢大学法文学部中退。日本ユニ・エージェンシー翻訳ワークショップ講師

ケイン,ジェイムズ・M.[ケイン,ジェイムズM.] [Cain,James M.]
1892年、メリーランド州アナポリスに生まれる。父親はワシントン・カレッジ学長、母親は元オペラ歌手。修士号を取得し、ジャーナリストとして活動。兵役に就き、第一次世界大戦に従軍した。1928年、短篇小説「パストラル」が雑誌掲載され、小説家としてのデビューとなる。1931年、南カリフォルニアに移住し、映画脚本の仕事に携わる。1934年の初めての長篇小説『郵便配達は二度ベルを鳴らす』がベストセラーになる。1977年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

56
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の作者による、オペラ歌手に憧れ何とかしてデビューしたいと熱望している妻には才能がなくそんな妻を熱愛している土建屋の夫がオペラ歌手としてスカウトされるというちぐはぐさが笑えるラブコメディ。作者の母親がプロの歌手で作者自身も歌っていた経験があるということで、音楽関係、オペラの舞台裏などの描写が本当にリアル。オペラ好きにはたまらないだろう。男を従わせずにはいられないタイプの妻ドリスも、アクが強すぎないかわいい女性に描かれていて共感がもてる。2026/04/18

maja

25
上流階級出の妻ドリスに惚れ込んでいて、彼女の思うままにされる土建業者のレナード。ある日、彼女は歌を再び始めると言い出す。ふだんからレナードを好きにいたぶるドリスなのであるが、どうしてなかなかレナードも懐が深そう。根は単純なのだが、そこに余計なものが積み重なっていびつなドリスの人物像が分かりやすくて楽しめる。一方、オペラ歌手の指導で、才能が開花して劇場に立つレナードの姿を彼女は知らず・・。ケインの親がプロのオペラ歌手で、本人もが声楽に造詣が深いとは!2026/04/20

tom

20
作者が「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のマイケル・ケインというところに驚いてしまうけれど、本の内容は大人の童話という風情。妻のオペラ熱に疎外感を持っていた主人公、ひょんなことからオペラの練習を始め、とんでもない速さで声の出し方から楽譜の読み方、ソルフェージュなどなどをマスターしてしまう。こんなこと、ありはずもないけれど、なかなかに読ませて楽しい。そしてステージに立ち、やんやの喝采を浴びる。妻は羨望と嫉妬に狂う。夫は晴れがましいコンサートに抜擢される。そして二人は・・・というシンプルな物語。楽しみました。2026/05/28

GO-FEET

7
《『ラ・ボエーム』『リゴレット』など、数々のオペラにのせて、軽妙な筆致のなかに欲望と愛憎が渦巻く、胸躍る必読の作品》(版元のつぶやきより引用) 《ケインが得意とした分野はファム・ファタールものばかりではない。彼はクラシック音楽、とりわけ声楽の分野に造詣が深かった。 (中略)  当時のアメリカ東部におけるオペラ業界の内側と、舞台裏で交わされる歌手たちのやりとりは、この小説の白眉である。スター歌手セシル・カーヴァーがレナードの才能を見抜き、これを鍛えて舞台に上げる経緯は、真に迫って生々しい。》(藤谷治) 2026/05/26

Kojiro Umene

0
期待とは違うendingだが面白い。映画を見てみたい。 舞台をも戦いの場に見なすアメリカン精神を感じた。2026/06/28

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