内容説明
テキサスの西、大きな砂地の町。原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、未亡人と保安官補のもうひとつの顔―
著者等紹介
トンプスン,ジム[トンプスン,ジム] [Thompson,Jim]
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイなど、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表。ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。1977年没
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年、大阪生まれ。金沢大学法文学部中退。日本ユニ・エージェンシー翻訳ワークショップ講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
134
原題は『transgressors』途中で展開がとても心配になったのだが、タイトルに「s」がついて複数であることに安堵しながら読んだ。ジム・トンプソンの最高傑作ではないだろうが、こういう展開もいいなと思わせてくれる。ピカレスク小説に分類されるのかしら。こういうのに出てくる女性は、しっかりしたあばずれ位がちょうどいい。トムのつかみどころがないセリフも気がきいてて好き。2019/06/04
バ度ホワイト
20
西部小説のような砂埃舞う殺伐とした人間模様。場所はテキサス。保安官に夫を殺されたと思い復讐を誓う妻。石油会社やマフィアを巻き込み保安官はピンチに・・しかし。軽妙な会話のやり取りで進む物語が心地よい。登場人物たちそれぞれの過去が足を引っ張る形になり一筋縄ではいかなくなる。クール過ぎる主人公がいいね。E・レナード読んでるみたいだ。2020/01/13
bapaksejahtera
14
小さな町の保安官補が殺人を犯す「おれの中の殺し屋」、生い立ちが親爺が病気になって医学校を退学という点で「深夜のベルボーイ」と、本作もトンプスンの他作品と似た設定。但し本作では保安官事務所を早々に辞めてしまうし、彼の狂気の度合いも中途半端だ。いつものようにオレが読者に語りかける文体ではなく第三者視線で終始している。小さな町に昔から続く家柄ながら上記の理由で困窮する処に、古い先祖からの沽券が見つかるが、その土地が詐取される。これが狂気の大きな動因であるが、物語パーツの繋がりが悪く、よく読み込めない憾みが遺る。2022/11/22
hikarunoir
12
ニック・コーリー~ルー・フォードに連なるヴァリアント(トム・ロード)なのは帯同者で冒頭明らかになるだけに着地点が読めず、結末が却って異常に見える。2019/12/07
GO-FEET
11
文遊社のトンプスンのシリーズもこれで6冊目。あいかわらず装丁がカッコよくて、毎回本棚に並べたいという所有欲が頭をもたげる。いやいや、もう本は増やさないと決めたんじゃないのか? それにしてもカッコいいなぁ……2019/05/18
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