内容説明
一冊の古書の謎と秘められた過去を探す旅、“ふたりの女”と心の深淵―愛と哀感を軽やかに描く連作、ミステリー作品など、後期傑作全二十一篇。
著者等紹介
野呂邦暢[ノロクニノブ]
1937年、9月20日、長崎市岩川町に生まれる。1945年、諌早市にある母の実家に疎開。8月9日、原爆が長崎市に投下され、原爆の閃光を諌早から目撃する。長崎市立銭座小学校の同級生の多くが被爆により亡くなった。長崎県立諌早高等学校を卒業後、様々な職を経て、19歳で自衛隊に入隊。入隊の年、諌早大水害が発生。翌年の除隊後、諌早に帰郷し、水害で変貌した故郷の町を歩いてまわり、散文や詩をしたためる。1965年、「或る男の故郷」が第二十一回文學界新人賞佳作に入選。芥川賞候補作に「壁の絵」「白桃」「海辺の広い庭」「鳥たちの河口」が挙がったのち、1974年、自衛隊体験を描いた「草のつるぎ」で受賞。1980年、急逝。享年42(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こけこ
2
哀愁が漂う本。だが、決して重くない。過去を解き明かしていくのは、ちょっと怖いような作業。2025/04/21
shizuka
2
おさめられている短編の多くに、妻と女との三角関係に苦しむ人間模様が描かれている。「当時の作者の姿を重ねた読者もいたのではないか」と解説にあって初めて知ったのだが、急逝した前年に著者は離婚してる。そうか、『昔日の客』に描かれていた夫婦は、続かなかったのか。2019/07/16
novutama
2
未読だった短編をいくつか。彼が好んだミステリー仕立ての作品も多いのだが、生活上の苦境も垣間見えて、胸苦しい。残された時間は少ないことを、彼が知るすべはないのだが、読みながらもどかしい思いをいだかずにはいられない。老境に達した彼の作品を読む機会は永遠に来ないのだな。せめて丸山豊の詩を読みたい。2017/10/14
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