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出版社内容情報
大正12(1923)年関東大震災の被害状況、対災活動等々全般にわたる情報を収集、記録
推薦のことば
佐藤健二(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
『東京震災録』は、迷宮のアーカイブ(記録保存庫)である。これを本当に読み尽くした者は誰かいるのかと、あらためて問いたくなるくらいに奥が深い。帝都震災のすべてを記述すべし、と命じた大英断の東京市長も、全部を読み通したかはあやしい。とにもかくにも全ページに目を通したひとがいたとして、すぐに本棚にしまい込んでよいかは疑問である。もういちど開けば、きっと新たに見つけ出される事実がある。たとえば、あの混乱のなかで繰り広げられた、市民たちのさまざまな活動には驚く。意外なことに、区役所や警察をはじめとする組織の総体は、勃興しつつあったジャーナリズムよりもはるかに丹念な記録装置であった。「東京」の冠をよい意味で裏切り、全国諸県あるいは台湾や朝鮮からの救援活動をも記録している。索引のないエンサイクロペディアである。一人の歴史家の精勤と慧眼が見通した災害の物語ではない、幾千もの人びとの眼と耳で残された記録の復刻を、心より歓迎する。



