感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
116
ぼくは生まれた。水の中で生まれた。生まれたばかりのときに、目の前にいた魚がお母さんかと思って聞いたら、みんな口をそろえて「わたしたち、あなたのかあさんじゃない」と言う。ぼくは、なんだかわからない。誰がお母さんかもわからない。どこに行けばいいのかも、誰に聞けばいいのかもわからない。途方に暮れて、空を飛びながら母さんを探していたぼくは、ある日ひとりの少年に出会うのだが…。美しい絵と、幻想的な光景と、岡田さんの見事な翻訳が、時を忘れて、絵本の世界に夢中にさせられます。2015/05/11
おくちゃん👶柳緑花紅
74
最近絵本を読むようになったが、絵本は子供だけのものではないですね。とても深くて大人の心にも響きます。この作品も色使いや、画の素晴らしいこと♪おかあさんに自分のことを教えてほしくて、ずっとずっと寂しい思いや悲しい思いをしてきたけれど、人間の男の子に出会ってやっと、「ぼうや!」「かあさん!」これだけで泣きそうになる。あなたは「ドラゴン」♡2015/05/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
67
【イギリスを代表する幻想画家】と評される(初めて知ったけど)ウエイン・アンダースン氏の絵が美しい。大きな鍵爪から金色の卵がこぼれ落ち、水の中へ。卵から生まれた赤ちゃんは「だれが母さん?」と尋ねる。魚がいう。「きっと魚の仲間よ。ひれがあるもの」。だけど〈ひれ〉は大きくなり小さな翼になった。ぼくの居場所はここではない。仲間を探す旅の途中で〈ぼく〉は人間の少年と出会う。「君の事知ってるよ。本に書いてあるもの」。少年と北へ向かった〈ぼく〉は氷の檻に縛られてしまった時、遂に自分の力に目覚める。1992年9月初版。2015/03/20
パフちゃん@かのん変更
53
美しく幻想的な光と色。空から落ちてきた卵は海の中で目覚める。ぼくの母さんはどこ。自分は何なんだろう。魚?トンボ?鳥?ヘビ?ワニ?・・・ぼくは何なんだろう。ぼくの母さんはどこ。切なくなりますが、最後はハッピーエンドです。2015/05/23
小夜風
25
【図書館】先に読んだ「ドラゴンマシーン」と同じ絵です。こちらはお話もウエイン・アンダースンです。やっぱり絵がとっても素敵♪淡く儚げな感じが好きです♪川の中にぱしゃんと落ちてきたひとつの卵。その卵から生まれたぼくは、自分が何なのかを求めてさ迷う。確かにドラゴンって魚にも鳥にもヘビにもワニにも似ていて、どれでもないですね。優しいお話でした♪2014/06/16