出版社内容情報
あなたのまぶたがとじたならわたしはミルクの爪先をおろし、甘やかな記憶のなかの洞窟ジャングルの木々にひきよせられて、ふたたびその道をたどるために、くぐり戸をぬけて、でていくの。─夜にみちびかれて。昼間のうちは、飼い慣らされた猫、夜になると、冒険をもとめて彷徨い歩く……。この魅力的な絵本では、ロイス・ダンカンの猫の姿を思い浮かばせる文章と、スティーブ・ジョンソンとルー・ファンチャの素晴らしい絵が合わさって、愛すべき、そして私たちの手からするりと逃げてしまう、いつもミステリアスな猫への賛歌が歌われています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
85
月明かりに浮かび上がるしなやかで軽やかな肢体。群青色の夜にみちびかれて猫は野生に返る。昼間の愛らしい姿は、文字通り「猫をかぶっている」のかも。夜がやってくると思い出す洞窟やジャングルの樹々。闇の中で光る瞳は、自分が夜の生き物であることの証明。闇に紛れて太古のDNAが踊り出す……夜にみちびかれて。猫の妖しい魅力にうっとり。2001年2月初版。2015/09/05
Natsuki
79
なんて美しい絵なんでしょう☆☆☆夜の闇と月明かりを纏ったハチワレ猫さん(ФωФ)時折こちらを見つめるその瞳に吸い込まれてしまいそうです(*´∇`*)いろんな角度からとらえた猫さんに寄ったり引いたり。背景色の色使いもまた美しい。キャプションのように添えられた文は詩のような響きです。なんだか深い眠りにつけそうです。2015/11/18
p.ntsk
56
『ねこたちの夜の』の猫ちゃんたちとは対照的な(笑)正統派の夜のすごし方。柔らかな手触りが感じられるような絵。詩のような訳も素敵です。オリジナルも読んでみたいです♪2015/08/30
hundredpink
47
絵を描いた人は猫をよく知っている。2019/12/16
Gummo
31
原題は「I Walk at Night」。月光の下、君は何を想う。詩的な文章はシンプルで、ストーリーと呼べるほどのものはないけれど、絵がとにかく美しい。夜の猫の姿を生き生きと描き出している。猫好きの方なら一見の価値あり。絵を見ているだけで楽しめるはず。★★★★☆2014/03/02