内容説明
第一短篇集、待望の本邦初訳!皮肉屋で少しばかり傲慢。批判精神あふれる痛快キャラクター、われらがレジナルド!“サキ・コレクション”第一弾!銅版画他、19点収録。
著者等紹介
サキ[サキ] [Saki]
1870‐1916。本名ヘクター・ヒュー・マンロー。スコットランド系のイギリスの小説家。ミャンマーに生まれる。短篇の名手。エドワード7世時代のイギリス上流社会について、整った文体で毒のある風刺を利かせた作品を物し、熱狂的ファンが多い。第一次世界大戦で戦死(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
80
【サキ誕生日読書会’23(12月10日~12月18日)】参加本。サキ・コレクション①お洒落で男前、皮肉屋で悪戯好きな青年レジナルドの短編16編。[レジナルドとクリスマスの贈り物]田舎の親戚の女性が贈ってくれるネクタイはフサスグリの木にでも縛っておけばいい。[レジナルドとクリスマスの憂さ晴らし]女性の部屋のドアに遺書らしきメモを貼り、紙袋風船を思い切り叩き潰して呻き声をあげる▽繊細で奇妙で不気味な怪物のイラストが癖になりそう。本文の紙の手触りも独特で素晴らしい装丁です。シニカルユーモアはよく分かりません 2023/12/17
keroppi
75
【サキ誕生日読書会’20】皮肉たっぷりのレジナルドが登場する連作短編集。様々なパーティーでの会話や演劇や詩を通して、当時の権威的なものへ反骨精神をひけらかす。と言っても、その時代背景を十分分かっていないため理解できたとは言い難い。池田俊彦さんの挿画が、サキっぽくて魅力的。2020/12/11
HANA
57
サキの第一短編集。主人公レジナルドはやっぱりクローヴィスの原型という感じであるが、こちらはその皮肉と悪戯が社交界に限定されているように思えた。言い回しとかが当時の風俗を知らないとピンとこないものばかりで、正直注釈があってもよくわからない。内容的にはクローヴィスと形式を一にしているんだけど。基本的に内容は皮肉が中心となっているのもそれに輪を掛けている。詩を作る話なんかは後期の作と共通している部分があって、それなんかは楽しめたんだけどなあ。読んでいるとクローヴィス物が持つ普遍的価値に気付けるように思えた。2015/05/10
松風
33
私は、悪口が面白い人が、結構好きだ。2015/09/18
空猫
25
短編集を見つけたので。挿し絵もホラーっぽく期待大だったけど、「レジナルド」という偏屈な青年が主人公のサキ版『ジーブス』みたいだった。20世紀初頭の英国上流社会への皮肉、風刺は満載なのだが、その時その場所に居なければわからない話ばかり。10頁足らずの話にいくつもの注釈が付く有り様で期待していた作品ではなかった。おいらの知識不足だけど(。ノω\。)挿し絵も素晴らしいが内容にはミスマッチ。2024/02/15