内容説明
西へ西へ―フロンティアに魅了された者たちがいわゆるアメリカン・スピリットを醸成した。しかし、アメリカ人であることの彼らの強烈な自我の前に、マイノリティたちは周縁に追いやられフィクショナルな都合の良い歴史にとりこまれていく…。小説、西部劇というイメージの中のフロンティア、あるいはインディアン、黒人奴隷、牧師たちの声なき声を注意深く分析し、アメリカのアメリカたる歪みの源泉を探る。
目次
第1章 歴史を楽しむということ
第2章 砂漠化する表象―西部劇の中のフロンティアとインディアン
第3章 石像化する黒い鷹―額縁の中のフロンティアとインディアン
第4章 人種をめぐる博物学―フロンティアを制覇する科学
第5章 白き死の仮面―フロンティアの現実と虚構
第6章 白いキリストたち―フロンティアを席巻するキリスト教
著者等紹介
高野一良[タカノカズヨシ]
1959年生まれ。東京都立大学人文学部講師、助教授を経て、首都大学東京都市教養学部教授。専攻領域はアメリカ文学及びアメリカ文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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