内容説明
納得できるまで、私は独りで生きたい!「別れましょう」私は言った。彼の顔に安堵の色が広がるのを見て、涙も出なかった。男を頼らず、愛にしがみつかずに生きるには、自立よりほかに道はない。二十八で上京した。働きながら小説を書くようになったのも、自然ななりゆきだった。とうとう一度も結婚せずに生きてしまったけれど、いつも自由で楽しい恋をしている。自分の意志で選び取った人生に悔いはない。答えは己れの中にあった。
目次
1 父の遺産
2 歳月その1(ふるさと回帰;セピア色の記憶 ほか)
3 歳月その2(終の栖;郷に入れば ほか)
4 女と愛(逆立ちと寝正月;エゴを生きて四十七歳 ほか)
5 生かされて(正念場;レクイエム ほか)
父の手帳―あとがきに代えて
著者等紹介
一ノ瀬綾[イチノセアヤ]
1932年、長野県の農家に生まれる。1969年、小説「春の終わり」で第12回農民文学賞受賞。1976年、小説集「黄の花」で第16回田村俊子賞受賞
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