内容説明
平凡な日々を送る夫が癌に―不安・不満・絶望・希望・思いやり―家族・医者・看護師、看とる側の心の揺れを実体験を基に描いた、待望の書き下ろし長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柴モモ
5
ベテラン看護師であった著者が、肺がんを患った夫を看取る過程が描かれています。看護師という目で患者を見れば、現れる症状で体の中でこういう事が起きているのでは?と簡単に予測されることが、家族となるとそれだ判断できなかったり、まさかそこまで進行しての症状ではないと思う気持ちが絡み、冷静に対処できない所に人間性を感じました。著者も病院通いで体調を崩しましたが、私の家族も入院しているので、長期だと看病で通う側の披露も共感を持って読むことができました。2013/05/11
よっちん
0
この人の「小児病棟」は読んで何も感じなかったけれど、この本は全く同じ立場なので身に詰まされる。今は小康状態だけど、だんだんこんな風になるのかと思うと、本当に一日一日を大切にしないといけないと思う。2010/05/02
ITSUMI
0
ベテラン看護師だった妻が肺がんで逝った夫を綴った本。タイトルから伺えることではあるが、最後が、、、。看護師の伴侶、独立している子供たちをはじめ、夫の周りには優しく頼りになる人たちがいて、主治医がまた患者中心に考えてくれる素晴らしい医師であり、恵まれた状況というか、この上ない環境であったと思う。それでも家族には悔いが残るのはどうしようもない。夫の書き残した手紙が最後にそれを拭い去る。2018/09/17