「経国済民」の学―日本のモラルサイエンス研究ノート

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  • サイズ A5判/ページ数 253p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784892055362
  • NDC分類 150
  • Cコード C0012

内容説明

日本初の法学者・穂積陳重は、法の進化に取り組み、その弟子・廣池千九郎は、その方法を継承して人類道徳の進化に取り組んだ。そして日本で最初の独自の「道徳科学」(これにモラロジーと命名)を樹立した。二人は渾身の力を揮って、国家の柱ともいえる精神原理を探究した。穂積は「祖先祭祀」の中に、廣池は「古事記」にみる「生成」の精神を「慈悲寛大自己反省」と表現し、それを人類道徳の根幹にみすえた。廣池千九郎の樹立した、日本で最初の総合人間学・モラロジーの独自性と普遍性を探究する。新たなモラルサイエンス構想を展開した、著者渾身の論考。

目次

第1章 公共世界を築き上げるもの(モラルサイエンス復活の意味;国家的公共性―愛国心の問題;日本版モラルサイエンス;モラルサイエンスの特色;十九世紀の科学的(進化論的)倫理学衰退の理由
これからのモラルサイエンス)
第2章 公共的倫理としての「他者へのケア」(他者のために生きる;廣池千九郎の出発点―歴史的考察と比較的方法;穂積八束との関わり;『伊勢神宮と我国体』;他者中心の「配慮の倫理」へ;公共倫理としての「慈悲寛大自己反省」;公共世界におけるケアの倫理―「かかわり」と「つながり」;「つながり」としてのケア理論)
第3章 穂積陳重と廣池千九郎のモラルサイエンス(穂積陳重と「生成」;穂積陳重「法律進化論」の特色;廣池千九郎が穂積陳重から受けた影響;法律の「人類化・世界化」と人類道徳への進化;権利主義法学論の受容の仕方;稿本「法理学講義録」のこと;歴史法学・比較法学;結び)

著者等紹介

水野治太郎[ミズノジタロウ]
麗澤大学教授。昭和13年(1938年)愛知県生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修了。米国レッドランズ大学客員研究員。麗澤大学外国語学部教授として「道徳科学」「比較文化概説」「ボランティア論」等担当、大学院では「比較福祉研究」を担当。東京女子医大大学院看護学研究科および上智大学で「人間学」の特別講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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