感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
49
何故、脳は二つあるのでしょう〜二つある内臓は同じ作用をして、片方が機能低下した時にスペアとして存在する。けれど脳に限っては左と右が別の仕事をする。悲観的な左に対して右は自分にとって有用な解決策を見つけ、寄り添っている機械的なロボットを使って左を納得させる。ウィルソンの論の面白さは卑近な話題を比喩にするので身近に感じます。けれど油断していると広く深い深淵に降りていく。無理が無いので私にも理解出来て、頷くことしきり。コリン ウィルソン〜面白い!次は何読もう(^_^)v2017/04/20
パブロ
10
追悼コリン・ウイルソン。ってことで、家にあるコリン・ウイルソン本を蔵出し。しかしホントこの人って『アウトサイダー』から一貫して、「至高体験」を追い続けてブレないよな〜。つ〜か本音を言うと、よくもまあこんなに同じことを繰り返して飽きなかったよな〜。そう、この本のテーマももちろん「至高体験」。この本で取り上げている左脳は芸術で右脳は論理なんてもう時代遅れ。でも、全能感に満たされるとともに、高次の意識をも感じられる至高体験は、喉から手が出るほどしてみたい。その次の『右脳の冒険』は実践編らしいのでちょっと期待。2014/01/16
マーブル
4
再読。内容は、要約すれば「人生を意味あるものとするにはどうしたらいいか」と言う問題を、脳研究の分野から考察したもの。 左脳と右脳の働きの違いは、今ではテレビの情報番組でも聞かれる程だが、当時はまだ先鋭的な発見だったようだ。ウィルソン本人も語っているように、「人生が意味あるものかどうか」と言う議論を飛び越えての展開となっている本書は、作者のオプティミスティックな部分で出来上がっている気がする。豊富な知識の象徴のように思えていた著名人の発言や、著作からの引用が、本筋から逸れた余計な寄り道に思えてしまう。2017/05/01
ひつまぶし
2
著者によるシュタイナーの評伝を通して知る。やはりというか『神々の沈黙』への言及もあり、70〜80年代はオカルトが今より受容されていたことが分かる。脳科学の流行やハラリの『サピエンス全史』などは、同じ関心の現代的変奏なのかなと思った。ガンダムのニュータイプのアイデアはおそらくこの辺から来ているし、当時は一般的だったのだろう。科学では実証し切れないが、状況証拠から解釈する形でその輪郭を語ることはできる。しかし、部分部分に誤りや飛躍があるので、全く受け入れ難かったり、逆に細部を信じ込んでしまったりするのだろう。2025/04/10
大森黃馨
2
この書にて私がずっと覚えておきたいと思ったフレーズ「なにか不都合なことが起こるきっかけは、倦怠とそして恨みの気持ちなのだ」「あの敗北感に屈服しようという誘惑に駆られないこと、それが絶対に必要なのだ」「退却するなかれ」 2022/05/31