内容説明
映画界の巨匠ルキノ・ヴィスコンティによる未完の小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
42
イタリア映画の至宝、ルキノ・ヴィスコンティが青年時代に記したと推察される未完の小説と、その解説、年譜の三構成で編まれた、如何にもPARCO出版が創った本と云うべき一冊。夕闇迫るうら寂しい風景の中、老いた馬に曳かれた馬車が行く。乗客は病み窶れた少年と、その母。少年の見開かれた大きな瞳は、貧しい馬車の箱を突き抜け、幼き日の情景を映し出す…。緻密に流麗に描かれるシノプシス。後の妥協なきキャスティングとカメラワーク、陰影の美を彷彿する文章に、映画の萌芽を探す。セカティ氏によるヴィスコンティ愛溢れる解説も秀逸。2021/01/15
donau
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イメージの断片が重なってゆく。先入観もあると思うけど、やっぱり映画の一部を観ているようだというのが一番ふさわしい。2012/01/21
よの字
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書き込みにムラのある未完作。とはいえ、ラストの一頁で描かれるアニータ(と思しき女性)の謎めいた魅力は読者を惹き付けるのに充分だし、二章冒頭におけるスタッレ通りの描写はヴィスコンティ映画のカメラワークを彷彿とさせるようで興味深い。2010/08/23
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