内容説明
一九九五年から一九九八年の間に、すぐ近くの北朝鮮で三〇〇万人の人民が餓死。体制がほころび始めてやっと明かされた真実。韓国の太陽政策によって北に送られた一〇〇億ドルはどこに行ったのか?世界や日本の援助はどこに消えたのか?荒廃した北朝鮮の地の切々たる家族愛。三〇〇万人の死が生んだ詩集。
目次
米飯賛歌(配給所;わたしたちのご飯は ほか)
わたしたちはこうして死んだ(隣の家;この世で一番おいしいものは ほか)
生きるのではなく生き残ること(家族の心情;乞食の願い ほか)
人権のない所には救済米もなかった(海のかなたの人々;今も ほか)
脱北者、わたしたちは先にきた未来(わたしたちの離別;豆満江を越えて ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dubstepwasted
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95年から98年の間、北朝鮮では、戦争も自然災害もない平和な日常の中、300万人の餓死者が出た。北朝鮮政権が「苦難の行軍」と軽々しく呼んでいるその4年間を、詩人はどう文字で表現するのか。 「飯粒」 水のような 粥 米粒を いくつ 入れると 計り オモニは 毎食ごとに 五粒ずつ 米を 節約する 米粒が 溜まり 片手に ひとにぎり オモニが 炊いてくれた ご飯 私の 誕生日の ご飯 一杯の あたたかい ご飯 胸がつまって 数えてみた オモニが この日のために 食べずに 貯めた 四五〇個の ご飯粒2017/12/21
こうじ
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すごく暗い気分になった詩集の姿をした北朝鮮のドキュメンタリー…。2013/05/27
ノンノン
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悲しいよな。 日本円でいうと約9円か。 自分の娘には少しでも楽をさせたい親心。 彼の国のお偉いさんには解るのか…2013/04/27
coja
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詩だからこそ、まっすぐ心に言葉が刺さった。「詠む」のではなく、「理解」してほしい、という冒頭の言葉通り、北朝鮮に生まれた人々が早く安らぎを得られるように祈ります。2011/08/30
mimiko
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電子書籍にて。詩というシンプルな形だからこそ伝わる迫力。2011/02/06