内容説明
北朝鮮から逃げられなかった男―ひとにぎりの自由をねがい命がけで豆満江を渡る越境者たちの運命は。
目次
第1章 はじめての監獄生活(連行;会寧市保衛部監房 ほか)
第2章 脱走(護送ドライブ;車窓の外の現実 ほか)
第3章 この世の地獄(ふたたび囚われの身に;漫江辺防隊監房 ほか)
第4章 呪縛を抜けて(死への護送;奇跡の脱出 ほか)
著者等紹介
韓元彩[ハンウォンチェ]
1943年、咸鏡南道出身。1967年、咸興化学工業大学卒業。朝鮮人民軍後方総局直属吉州パルプ連合企業所設計室に勤務、1974年からは保衛部秘密工作員を兼務。韓国への亡命を求めて家族とともに脱北するが、2000年9月に北朝鮮に送還されて拷問を受け、死去
李山河[イーサンハ]
愛知県出身。朝鮮半島から渡日した父と日本人の母の間に生まれる。社会主義祖国北朝鮮に帰国すべく新潟日赤センターまで行くが「流れている血が卑しい」(母親が日本人だから)という理由で拒絶される。現在、中国、ロシアに潜む脱北者を救う組織「北朝鮮難民救援基金」で活動中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニャニャニャニャ
5
半島を出よ、であとがきに書いてあった脱北者。忘れろ。この世の地獄。おぞましすぎる。今もこんなんなのか!?カイジの地下とか比べもんにならん。これがフィクションでは無いと言うのよね?辛いのが嫌いな人、絶対読まないがいいです。2017/01/04
おじ
3
こ・・・こんな地獄が現代に存在するのか・・・。村上龍が「半島を出よ」を書くにあたって、参考にしていた本。何年か前に韓国へ言った時、38度線見学した。あの向こうではこんなことが行われていたのか・・・2019/05/09
me
1
10年前の話。3度の脱北をするも北に連れ戻され3日目に拷問の末死亡。北での不条理な拷問と刑務所生活。悲惨すぎる北の人民。なんとかならんのかー!2013/04/28
イクル
1
『半島を出よ』後書きで興味を持った。10年近く前の本。世代が変わってどうなっていくのか。2011/12/20
seicoro
1
☆☆☆ 三度の中国への脱北の末、韓国へ亡命するという夢半ばで非業な死を遂げた著者の声なき声。壮絶。飢えに苦しみ続ける人民も。囚人を傷め続ける北朝鮮保衛部も。逃げ続ける著者も。抑圧されて聞こえてこない一国民の声。文字通り命をかけた一冊。 2010/09/01