内容説明
21世紀においてもなお色褪せない輝きを放ち続ける詩人マラルメ。現代文学のみならず、様々な領域においてパラダイム変換をなしえた背景には19世紀の文化資本を共有していたという事実があった。同時代の言語学/韻文詩/音楽/写真などを詩人はいかに受容し、いかにそこから逸脱していったのか、最新の研究を踏まえながら多角的な視点から詩人の独創性に迫る。
目次
1 言語(新たな人文学に向けて―マラルメと『英単語』;マラルメの挫折、あるいは新たな出発―「言語に関するノート」再考)
2 詩(マラルメと規則詩句―脚韻を視点として;“彼女”の婚礼―『エロディアードの婚礼』読解のために;死にし子に花束を―『アナトールの墓』を読む)
3 芸術(十九世紀末フランス絶対音楽事情―モーリス・グリヴォーとステファヌ・マラルメ;物質と精神のあいだで―マラルメにおけるヴィジョンあるいはイメージ)
4 詩と音楽の交錯点(闇から切り取られる光と詩―「あらわれ」読解;ロマンスから象徴へ―クロード・ドビュッシー“あらわれ”の特異性;聖女が奏でる不在の音楽―「聖女」読解;モーリス・ラヴェルの“聖女”―タイムワープの音楽仕掛け;終わりに―詩と音楽の交錯点には…)
著者等紹介
大出敦[オオデアツシ]
1967年生まれ。筑波大学大学院博士課程単位取得退学。慶應義塾大学准教授。専攻、フランス文学(マラルメ、クローデル)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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