叢書言語の政治
ユートピア的身体/ヘテロトピア

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 144p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784891769802
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

権力による服従化とともに存在し、抵抗へと反転しうる身体を考察する「ユートピア的身体」と権力への抵抗と、権力の解体の可能性を秘めた反‐場所を模索する空間論「ヘテロトピア」の二篇を収録。本邦初訳のジュディス・バトラー「フーコーと身体的書き込みのパラドックス」も収録!

目次

ユートピア的身体
ヘテロトピア
フーコーと身体的書き込みのパラドックス(ジュディス・バトラー)
「ヘテロトピア」―ヴェネチア、ベルリン、ロサンゼルス間のある概念の苦難(ダニエル・ドゥフェール)

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梟をめぐる読書

15
人間の身体があくまで非ユートピア的なもの(局在するもの)であることを確認しつつそれが解体され反転されうるものであることを考察する「ユートピア的身体」、権力を離れた〈反〉場所としての都市空間の可能性を模索する「ヘテロトピア」の二篇の講演を収める。大江健三郎の読書体験以来、〈場所〉や空間性の議論に惹かれてきた自分にとってはいずれも興味深いテーマであり、考えさせられる場面は多かった。もちろん現代的な「ヘテロトピア」空間としては、真っ先にネットの存在が想起されるだろう。汲めど尽きせぬ、フーコー哲学の真髄がここに。2013/07/21

Ecriture

10
人は巨大で美しい身体なき身体のユートピアを夢想するが、そのようなユートピアは身体から生まれた。物質的な肉体は聖なるものや他なるものを受け入れることができるばかりか、身体は常によそにある。鏡と死体と愛撫のような身体の監獄化において身体はこことなる。家の絶対的に他なる場所として、子どもが大人から隠れる屋根裏部屋や秘密基地・図書館・核実験施設・精神病院・売春宿・墓地・演劇・絨毯・未開の観光地・モーテル・アメリカの例を挙げ、他の空間に異議申立てする(幻想の単純化と複雑化の二つの手法で)ようなヘテロトピアを考える。2013/09/05

roughfractus02

9
場所がないこと/どこにもない場所(ユートピア)としての私にとって身体は他の場所にあるとする著者は、無限定から限定を引き出しはしない。他の場所の断片でできたこの身体が、私の統治からすり抜け、私自身の限界を画するゆえにヘテロトピアと呼ぶのである。環境を移動し他の場所にアクセスするだけでなく、祭祀の文脈において「仮面、刺青、化粧は、身体を別の空間に導く」と同時に、場を持たない場である私へ別の空間の力を不可視なものや秘密として引き入れるからそう呼ぶのである(著者の短い論考とJ・バトラーら3名のフーコー論を収録)。2024/12/13

ラウリスタ~

9
ユートピアは存在しない場所だが、ヘテロトピアは現実にあるが普通の場とは明確に異なり、その存在そのものが普通の場への異議申し立てになる、その様な場所。危機のへ(童貞・処女喪失の場としての徴兵、新婚旅行)、逸脱のへ(病院、監獄、養老院)、死者のへ(墓地)など、列挙されていく。体系化されていないから、ヘテロトピアが指し示しうるものがどこまでも拡大していきそう。ある種のへは都市から排除されていくが(墓地、精神病院、祝祭)、権力によって別種の統治システムの一部としてのへが根付いていく(庭園、学校、図書館)。2020/07/12

ラウリスタ~

7
ラジオでの朗読を書き起こしたもの。フーコー自身のテクストは非常に短く、それに倍する解説などが付いている。カフカの『流刑地にて』に上書きされた書き込まれる身体ってのが印象的。通常の場所とは明確に異なる意味を持つ場所として規定された「ヘテロトピア(精神病院、監獄、学校、新婚旅行etc...)」において、権力は我々を支配する。フーコーがやっていたことはそれら権力のヘテロトピアの誕生と構造を明らかにすることだったようだ。2014/02/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6932257
  • ご注意事項

最近チェックした商品